幕間20 パリに咲き誇る黒百合、男の娘アイドルと王女
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うかな?
僕のウタマロ(デカマラ)はムッシュ・キヨマロ(猫平長官)の絵にも負けないよ」
「おお! 浮世絵の話であれば私も混ぜて下さい。
シャーリー嬢は絵師キヨマロの『蛸と海女』はご存知ですか?」
「ええ、女性とタコ2匹の性交渉を描いた春画ですわ。
大エイリス博物館に飾らていると伺っております」
「日本人の変態的感性はアステカ帝国のハニーと並んで、
宇宙でも1000年先を行っていますな!」
「うふふ、オフランスやエイリスの変態紳士淑女には叶いませんわ〜」
「…………あっ」
変態紳士に囲まれた男の娘アイドルを見つめるのは、
惑星パリ解放後に叔父に王位を譲った前王女のシャルロット・パルトネー。
「恋よ恋。われ中空-ナカゾラ-に、なかす恋といったところかの」
「えっ……!! お、叔父様?」
声をかけて来たのは叔父のルイ81世だ。
「親善大使はモテモテだな。
オフランスの薔薇だけなく百合も惹きつけるとは罪深い」
「……叔父様も?」
「わたしは敬虔な聖女教徒の純潔主義者《ユニコーン》だからね。
シャーリーからは処女性が失われているようで残念だ。
声を聞けば処女膜から音が出てないのが分かる。
中古アイドルには興味がないよ」
「そんな! シャーリー様を中古だなんて!!
いくら国王となった叔父様でも
言って良いことと悪いことがありますわ!」
「それは失礼したね。罪滅ぼしではないが、
可愛い姪っ子のために一肌脱ごうでないか」
そう言っておもむろに宮廷服を脱ぎ始める国王ルイ81世。
「きゃっ!! ……あら?」
「ん? 何をほっとしているんだい」
「いえ、全部お脱がれになられるのかと」
「全裸の王様のように国民に全てを晒し出す勇気はないさ」
4代国王ヴィップ・D・ヤラナイオは全裸の王様と呼ばれ、
女帝ナポレオンと並ぶオフランスの英雄だ。
ヤラナイオの血族はDの一族と呼ばれ大航海時代にも活躍した。
『余は産まれたときに裸であった。
死ぬときもおそらく裸であろう。
今も裸だ―』
こんな前文から始まるR-18童話『全裸の王様』を、
パリの子供たちならみんな家庭で読み聞かされて知っている。
「シャーリーを連れて来ようと思うがどうかね?」
「でも……わたくしは……」
「命短し、恋せよ乙女という言葉もある。
老いた私と違い。まだ若いんだしたいようにすればいい」
「……そうですね! 叔父様、ありがとうございます!!」
――――その夜、ラブホテル「ベルサイユ宮殿」の客室――――
ロココ調のプリンセスベッドの上で、
シャーリー・アキとシャルロット・パルトネーは肩を並
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