ペルソナ3
1939話
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桐条がはっちゃけた翌日の影時間……俺の姿はタルタロスのエントランスにあった。
少し離れた場所では、ゆかり、荒垣、桐条、真田、順平、山岸といった面々が俺と、俺の前にいる有里の姿に視線を向けていた。
結局のところ、模擬戦はエントランスで行われる事になったのだ。
桐条も死神の件は幾月に言ったのだが、周囲に与える影響の事を思えば、やはりエントランス以外に場所はないと判断したらしい。
……その後ろに、死神をおびき寄せたいとか、それ以外にも何らかの計算があるように思えるのは、俺の気のせいだろうか?
勿論シャドウや影時間について研究をしているのだと考えれば、そうなってもおかしくはないと思うが。
そんな風に考えていると、桐条の言葉が耳に入ってくる。
「さて、ではこれより模擬戦を行う。言うまでもなく、これは模擬戦だ。相手に致命的なダメージを与えるような真似は、決してしないように」
いいな? と視線で尋ねてくる桐条に、俺は頷きを返す。
有里も、それには特に異論がないのか、頷いていた。
こうして見ると、普段の面倒臭がりな有里と違って、今日はちょっとやる気に満ちているような気がするな。
山岸辺りにいいところを見せたいとか、そういう感じか?
「さて、なら軽く手あわせといこうか」
そう言いながら、俺は空間倉庫の中からゲイ・ボルグを取り出す。
有里は右手に長剣を持っているが、素直に武器だけの格だけで考えれば圧倒的にこっちが上だ。
また、武器だけではなく戦闘技術という点で考えても、それは同様だろう。
この状況で有里が自分の不利を覆す方法……それは1つしか存在していない。
「ジャックランタン、マハラギ!」
召喚器により、召喚されるペルソナ。
それは、ローブを被ったカボチャといった様子のペルソナだった。
なるほど、ジャックランタンか。
「マハラギ」
ジャックランタンから放たれる、広範囲の炎。
アギの広範囲版、マハラギだ。
俺達が戦っている場所は、観戦している者達からかなり離れている。
そのおかげで、観客達に被害はないのだろう。
「俺に炎? 舐められたものだ」
こちらに迫ってくる炎を全く気にした様子もなく、俺は手を振るう。
俺に必要だった動作は、たったそれだけ。
それだけで、俺が降った手の軌跡に沿うかのように白炎が燃え上がる。
マハラギによりこちらに向かってくる炎を、白炎は迎え撃ち……一瞬の拮抗すらなく、あっさりと呑み込む。
だが、当然のようにそれだけでは終わらず、マハラギを呑み込んだ白炎は勢いを一切衰えさせる事がないまま、有里に向かう。
「ちぃっ!」
鋭く舌打ちしながら、有里は横に跳ぶ。
本来なら新たに白炎を産み出してもい
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