ペルソナ3
1939話
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ボルグの穂先が突きつけられている。
「さて、じゃあ次だ。……言っておくが、折角の機会なんだ。桐条からの頼みってのもあるし、有里にはこの際たっぷりと戦いの経験を積んで貰うからな。そう簡単に終わるとは思わない事だ」
その言葉に、何故か離れている場所でこちらの様子を見ている順平の頬が引き攣る。
有里と仲の良い山岸が心配そうにしているのは分かるが、順平がそこまで気にする必要はないと思うんだが。
ちなみに真田の方は羨ましそうにしており、ゆかり、桐条、荒垣は特に表情を変えずに一連の戦いを見守っていた。
俺がこうして模擬戦を引き受けたのは、桐条からの頼みというのもあるが……それよりは、やはり恐らくこの世界の主人公だろう有里の戦闘経験の場を奪っているという思いがあるからだ。
タルタロスを踏破という点では、俺達の方が圧倒的に先を進んでいる。
その結果、特定の階層にいる番人シャドウ……他のシャドウよりも強いシャドウとの戦いは、俺達が全て引き受けている形になっているのだ。
単純にタルタロスを攻略するという意味では、桐条達にとっては非常に楽だが、その楽というのは本来なら有里が積むべき戦闘経験を、俺達が奪っているという事でもある。
そうなると、この先強力なシャドウが姿を現せば……そして毎月満月に姿を現すイレギュラーシャドウとの戦いでは、有里達が苦戦をする事になるのは間違いない。
最初のイレギュラーシャドウは、有里が何とか倒せた。
だが、次のイレギュラーシャドウは、順平の暴走もあったが、それでも俺がいなければ負けていた可能性が高いのは間違いない。
そして、この前の山岸の時のイレギュラーシャドウ。
……弱点を無効化するというスキルを持っていた相手だったが、こっちに関しては精神コマンドの直撃を持つ俺がいたからこそ容易に倒せたが、もし俺がいない状況であれば非常に苦戦していただろう。
そんな訳で、とにかく今の有里には強敵との戦闘経験を積ませる必要があった。
それもゆかりや荒垣のような、頑張れば手が届くかもしれない……といった相手ではなく、もっと圧倒的な存在との戦闘経験を。
もっとも、俺との戦いも所詮は模擬戦。
命懸けの戦いと考えれば、どうしても緊張感は低い。
それでも、戦わないよりは間違いなくマシだろう。
そんな訳で、戦闘はまだ続く。
「次、行くぞ」
「……分かってる」
基本的に面倒臭がりな有里だが、それでもこうも一方的にやられるというのは、面白くはないのだろう。
有里は微かに視線の力を強くして召喚器を頭部に当てる。
「ベリス!」
その言葉と共に姿を現したのは、馬に乗った騎士といった姿のペルソナ。
形態で考えれば、荒垣のカストールに似ているが……カストールに比べると、どうして
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