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提督はBarにいる・外伝
エピローグと真相
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は無い、と言いたい所だが……念の為に17番通路は潰す。あそこが一番使い勝手が良かったが、流石に記憶は消去したとはいえ見つかった通路は使えん」

「あぁ、また今度」

 そう言って電話を切ると、提督は気晴らしの為か煙草を銜えて火を点けようとした。

「こらっ!廊下は禁煙ですよ提督!」

「うおっと、うるせぇのに見つかった!」

 そこにいたのは、大淀だった。こうしちゃおれんとスタコラサッサと逃げ出す提督。まるで、闇より深い裏の顔を覆い隠す為に道化を演じるかのように。





  〜数日後・加賀視点〜

 あの怪談話をした夜から数日が経った。あれから特に私の身体には変化は特にない。前よりも寝付きがよくなった事位だろうか。あの書斎の噂がどうしても気になって、非番の日に赤城さんと調べてはみたけれど、何かしら仕掛けのような物は発見できなかったし、呻き声も聞こえなかった。あの呻き声は空耳か何かだったのでしょうね。提督は前よりも構ってくれるようになったし、良いことですね。

「加賀さ〜ん、間宮にあんみつでも食べに行きましょう!」

 あぁ、赤城さんが呼んでいる。私の道楽に付き合って貰ったのだからあんみつ位はご馳走しましょう。

「えぇ、お付き合いします」

 そう言って加賀は、書斎のドアを閉めた。中には誰も居ない……ハズであった。が、例の一番奥の書棚からまるで幽霊のようにスルリと抜け出してきた少女が一人。

「ふぅ、やれやれ。全くどこの世界線でも特異点たるここの提督さんは厄介な存在ですよ……あ、読者の皆さんお久し振り!1年ぶり位?……え、『お前誰だ?』って、酷いなぁ。こういう場面で出てくるご都合主義キャラって言ったら一人しかいないでしょ?」

 そう言って、妖怪猫吊るしと呼ばれる少女はニッコリと笑った。

「さてと。『あれ、あの提督さんが乱心しちゃったんじゃね!?』と不安に思ってる読者さんの為に、その不安を取り除いておかないとね」

 よっこいしょ、とどこからともなくちゃぶ台と座布団、それにお茶とせんべいを取り出す猫吊るし。どこまでもフリーダムな存在である。

「結論から言わせてもらうと、この世界はいわゆる『提督はBarにいる。』の世界に限り無く近い平行世界……パラレル・ワールドという奴なんだよね。だから、あっちの世界の提督さんはこんなマッドな実験はしてません……まぁ、もっとえげつないダーティな事はしてるかもね〜」

 にゃはははは、と笑いながらせんべいをモシャモシャして茶を啜る猫吊るし。

「もちろん、こっちの世界の提督さんもバーは経営してるしほとんど違いも無いんだけどねぇ。1つ違いを挙げるなら、こっちの世界の提督さん、ちょっとばかし知識欲が強すぎるんだよねぇ……」

「深海棲艦の誕生
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