2話→中学2年@
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しもし、織斑ですが?』
幼いその声に、太郎は笑みを浮かべながら答える。
『俺だよ、俺。タロー兄ちゃんさ』
その答えに直ぐに扉が開き、男の子が飛び出す。
織斑一夏。
織斑千冬の実弟にして、ゴリラ千冬の血を引いてるとは思えないピュアボーイである。
え、なんで女じゃないのに優しいのかって?
いや、別に獲物(女)がかち合ったならともかく、理由もなく、この子を邪険にする意味ねーし。
しかもこの子、マジでピュアだから、俺の言う事基本的に聞いてくれるし。
まあ、一部の女子がかなり邪悪な目で見てくるのはガチで勘弁だが、被害はそれくらいだしな。
出てきた一夏を抱き上げながら、織斑家に向かう。
「千冬は?」
「えーと、お風呂です」
ちょっと首を傾げた後、答える一夏。
「よーし、じゃあその間に飯でも一緒に作るか!」
そう提案した俺に、一夏は首を何度も振って答えた。
豚バラ肉に、刻んだキャベツとモヤシを加えて、しんなりしてきたらほぐした麺をソースと一緒に炒める。
シンプルかつ、皿が一つで済む焼きそばを作っていると、タオルを肩にかけてパンティ一枚の千冬が出てきた。
「おーい、一夏、私のブラジャーは……」
言いかけた千冬の顔が、驚愕と共にこちらに向けられる。
(くくく、その顔が見たかった。後、裸も)
太郎は一夏に聞いて知っていた。
千冬が自宅ではだらしなく、注意しても下着一枚で家の中を歩いていると。
太郎は篠ノ之神社から聞いて、道場で千冬が稽古している時間を知っていた。
そこから導きだされる、真実は一つ。
(来たぜ……ぬるりと)
驚愕に染まった顔が徐々に赤く染まっていく。
あ、そろそろヤバイな。
千冬に近寄ると、わざわざ買ってきたバスローブを肩越しにかける。
同時に、耳元で囁いた。
「いやあ、良いもん見せてもらったわ」
返事は言葉ではなく、ビンタだった。
「駄目だよ、おねーちゃん。タロー兄ちゃんは料理してただけなのに」
リビングで三人で食事をしながら一夏は千冬にそう、文句を言った。
(ふふふ、流石一夏、期待通りの言葉を言ってくれる)
そう、客観的に見ると、一夏の言う事が正しい。真実はどうあれ。
千冬もそれが分かっているから、先ほどのビンタはかなり手加減されていた。
「いや、こいつの事だ。私のシャワー後の姿を見るために、わざとこの時間に来たに違いない」
相変わらず千冬の勘は鋭い。まあ、ぶっちゃけその通りなのだが。
「覗きにいったならともかく、考えすぎだよ。そもそも半裸で出なきゃ済んだ話だし」
いやあ、一夏くんはやっぱり最高だな(再確認)
「いや、
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