ウィザード・トーナメント編 前編
「11」 その3
[2/5]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
ぁシルバ、お前朝見せられた予告状に書いてあった犯行現場の位置って分かるか?」
「申し訳ないが、正確な場所までは覚えていない。」
「だよな。」
俺は念のために写真を撮って一度ホテルに引き返した。
俺は会長にお願いして予告状に書かれた10ヶ所のポイントをコピーしてもらった。
会長は不思議そうにしていたが、副会長のほうは何かを察しているような雰囲気がした。
個室に戻って予告状とナイフの位置を確認すると、ナイフの延長線上に1つのポイントが当てはまる。
俺はそれを間違いないと確信し、副会長に報告した。
しかし、副会長の返答はこうだった。
「仮にそこが本来のポイントだったとしても、そこに人を集中して配置するとかそういうことはしないぞ。」
「なぜですか?」
犯行現場は間違いなくここだ。
俺は確信を持って言える。
人を集中して配置すれば、安全で確実な戦闘が可能なはずで、少数相手で太刀打ちできる相手とも限らない。
犯人が次に狙っているターゲットを保護することも考えれば、ここに人を集めるのは当然のはずだ。
「お前のその思考は固定概念のもとでできてるだろ。」
「どういうことです?」
「よは、犯人が単独犯だと決めつけてるってことだ。」
それを聞いて俺はハッとした。
確かに俺の考えは犯人が単独犯だというのを前提条件としてできている。
万が一、犯人が複数名いる場合。
1ヶ所に戦力を集めれば対応ができなくなる。
それに考えてみればこれが犯人からの罠だという可能性も完全には否定できない。
だがそれなら他の2校にも協力を頼めばいいはずだ。
これは身内だけの問題ではない。
大会に関係する以上、3校で協力するのは当然のはずだ。
「ベルズ院とブリッツ学園はどうしてるんですか?」
「それに関しては午後の招集で報告する。」
「それまで待てと?」
「落ち着け。」
副会長の言動には俺の態度や焦りに対する苛立ちは全く無く、俺を冷静に戻すことが目的なのが理解できた。
俺は落ち着きを取り戻し、改めて聞いた。
「今回、2校には協力を頼んでいるが、あくまでも役割分担でそれぞれ仕事を分けた。」
「どういうことです?」
「ブリッツ学園には10ヶ所のポイントから半径300m圏内の人避けと監視を頼み、ベルズ院にはロンドンの交通網の整備を頼んだ。」
その言い方から察するに、犯人と直接交戦するのはマーリン学園の役目だということだ。
一番リスクが高い。
なぜ他の学園に頼まなかったのか最初は不思議に思ったが、考えてみればこちらは提案する側だ。
提案する以上、最大限のリスクを負う覚悟が必要だ。
そんなのもすべて把握したうえでこの作戦を実行する
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ