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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
【第652話】
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怠るなら直ぐに追い抜かれるさ。 煽ってる訳ではない、私はあくまで事実を告げてるだけだ」

「……ッ」


 事実、エレンは何度か一夏と模擬戦を行ったのだが全勝している。

 ハンデを着けて勝負とも言ったのだがこれには――「模擬戦でも女からハンデを貰うなんて出来ねぇ」――等と言う。

 ハンデに関しては恥ずかしいことではない、実力が離れてるのであれば均等にするのもスポーツでは必要なことなのだが――。


「エレン、話はここまでだ」

「む? わ、わかった」


 ヒルトは一旦エレンを制止する、待機状態のISを確認するためエレンを連れて待機位置へと向かう。

「織斑くん体力ないねー」

「……千冬様の弟だけど、基礎はあまりしないのかな?」

「うーん、パッと見は爽やかイケメンだし、家事も出来るけど……ねぇ?」

「織斑くん、今の状態じゃ不味いよ? 今からでも遅くないから基礎を徹底した方がいいんじゃない?」


 散々な言われようの一夏、まだ見捨ててない辺りはクラス女子の優しさか或いは未だ尚夢見る織斑千冬の義妹というポジションか――。


「んー。 基礎が大事なのは俺にもわかるけどさぁ。 今更基礎を履修してもなぁって気がするし、それに試合本番でその基礎が生きるかわからねぇだろ? それだったら応用なり派生なり技を一つ増やせばバリエーション増やせるから」

「わ、わからなくは無いけど……ねぇ?」

「う、うんうん」

「だろ? まあそれに、全く基礎やらねぇって訳じゃないからな。 クロス・グリッド・ターンだって前より上手くなってるし」


 一夏の言葉に苦笑交じりに答えた生徒の一部――そして、四時間目の終了を告げるチャイムが学園全体に流れる。


「おっ、やっと昼飯だな! 成樹、一緒に昼食摂らないか? 男同士親睦深めようぜ」

「あ、ごめん……。 昼はその、クラスの子に誘われちゃって……」


 そう告げた成樹の周囲を取り囲むように女子が集まっていた。

 成樹自身はまだ恋愛をするという気持ちは無いのだが、だからといって無下にするのも失礼だと思い気持ちに答えた結果が今の状況だ。


「ふーん。 やっぱ転入したてだとウーパールーパーになるのは変わらないんだな」


 六月のシャルル時代の事を思い浮かべた一夏。

 当のシャルルことシャルはというと、ヒルトの腕をとって昼食に誘っていた。


「ねねっヒルト、久しぶりに僕と二人で食べよっ」

「ん? あ――」

「お待ちくださいまし! わたくしもヒルトさんと食事を摂らせていただきますわ!」


 既に様式美ともなったこのやり取り、ヒルト自身は誰と食べても構わないのだが周りが許さなかった。


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