プロローグ→俺、誕生?
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「悪いな、これも仕事なんだ。」
衝撃と共に、眉間にナニか熱いものが通りすぎる。
痛みを感じる暇もなく、『彼』の物語は幕を閉じた。
気づけば彼は、真っ白な世界で、老人と対峙していた。
「ふむ、君は『』くんだね。可愛そうに、大変だったね」
目の前の老人の目が哀れみに彩られる。
彼はそれに苦笑で答えた。
彼は現代日本の基準で言えば、やや下流の家に生れた男であった。
しかし、彼はめげずに必死で勉強し、国のそれなりの機関に就職できた。
だが、死んだ。
直属の上司がハニトラに引っ掛かり機密情報を漏洩し、道連れで牢屋にぶちこまれたと思ったら、即ヒットマンに射殺という、もはやギャグとしか思えない死に方でだ。
ここまで行くと、笑うしかない。
老人の話はすすんでいく。
気づけば、彼の目の前にはiPadのようなパネルが出現していた。
老人の言葉を信じるなら、様々なニーズに対応するため、生前の生き方を参考にしたポイントを、この機械で振り分けられるらしい。
面白い。
路傍の石のように踏みつけられて殺された人生だ。
来世に貰えるものは余さず貰おう。
気づけば夢中になってポイントを振り分けていた。
幸か不幸か、死に方が悲惨過ぎた故に、ポイントは大量にある。
内容を徹底的に吟味し、残さずポイントを入力したあと下に点滅する『確定』ボタンを押す。
瞬間、彼の身体は光に包まれ、そして消えていった。
……転生者『山田太郎』……ローディング……
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