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儚き想い、されど永遠の想い
159部分:第十三話 運命の告白その三
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第十三話 運命の告白その三

「まさに」
「そうだな。しかしな」
「今ここにいるのは」
 義愛と義智は場を見回しながら眉を顰めさせもした。その白い世界にいるのはだ。
 彼等だけがいるのではなかった。そこにはだった。
 白杜家の面々もいた。その彼等を見て眉を顰めさせて話すのだった。
「これも伊上先生がなのだろうか」
「そうでしょうね」
 義智はこう義愛に話した。
「何かを考えられて」
「いるのはいいのだが」
 義愛は曇った顔のまま話していく。
「しかし我々が共にいるとな」
「はい。お互いに気まずくなってしまいます」
 そのだ。両家の中の悪いさ故にだ。
「そこから厄介なことにならなければいいが」
「全くです。只でさえことあるごとに対立していますから」
「ここは無視するべきだな」
「はい、ここにいるのは私達だけです」
 こう考えることにしたのだ。
「そういうことだ」
「白杜家の面々はいません」
 二人で言っていく。
「御互いに無視していれば余計な対立も起こらない」
「それも手段の一つです」
 こう話してだ。実際に白杜家の面々を無視することにした彼等だった。
 だが義正はそんな二人を見て微妙な顔だった。そしてそれはだ。
 真理も同じだった。彼女も家族を見ていた。その家族達は。
「参ったな」
「そうですね」
 まず両親達がだ。こう話していた。
「我々だけではないのか」
「まさか八条家まで来ているなんて」
「しかも主だった家族が全ている」
 父がこう言う。
「あの三兄弟もな」
「そうですね。八条家の三兄弟」
 母はその彼等を見ていた。無論好意的な目ではない。
「外見はいいのですが」
「だが八条家だ」
「はい、あの家です」
 そのこと自体が問題だというのだ。
「あの家の人間ですから」
「全く。先生も」
 父もまた、だ。伊上のことを話した。
「何を考えておられるのか」
「それがわかりませんね」
「我等が和解や歩み寄りなぞ」
「考えられませんね」
「それはない」
 完全な否定だった。
「絶対にな」
「それは有り得ない」
「そうですか」
 話を聞いてだ。真理はだ。
 残念そうな顔になった。そうなってしまった。
 だが、だ。その真理にだ。今度はだ。兄と妹達が言ってきた。
「どうしたんだ、真理」
「急に顔が暗くなったけれど」
「何があったの?」
「いえ、別に」
 何でもないとだ。真理もだった。
 自分の心を今は隠してだ。兄と妹達に話した。
「何でもないです」
「だといいのだがな」
「最近ちょっと様子がおかしいし」
「不安になるから」
 妹を気遣う顔でだ。三人は話すのだった。
「とにかくだ。八条家の面々は無視をしよう」
「こちらからもおかし
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