第14話
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惑っている中ある事を察したセレーネは心配そうな表情でリィンを見つめた。
「そうか……そうだよな。まあいい、とにかくアルトリザスに戻るとしよう。この深い闇……何が現れるかわからないからな。」
「だ、だからそういう事を言わないでくださいってば!」
「ふう、とにかく森から出ましょうか。」
そして森から出る為にユウナとクルトが先に歩き始めた中、アルティナとセレーネは二人の背中を見守っているリィンに声をかけた。
(……大丈夫ですか?幼い頃のマスターの”力の暴走”のことはエリゼ様達から伺っていましたが、もしかして先程の出来事が……?)
(その……本当に性魔術で、お兄様に秘められている”力”を発散させなくても大丈夫ですか?)
(いや、本当に問題ない。”力の暴走”に関してはリウイ陛下達による特訓やエリゼやセレーネ達との性魔術で”力”の制御や発散ができるようになって以降、一度も無かった。心配させて済まない。二人とも特務活動に専念してくれ。)
(……はい。)
(……わかりましたわ。ですがもし性魔術が必要でしたら、いつでも申し出てくださいね。)
心配する二人に答えたリィンはユウナとクルトの後を追って行く二人に続くように歩き始めたが立ち止まって少女がいた場所に視線を向けた。
(……人か、魔か。確かに”何か”がいた筈だ。”記憶がないのは”ゾッとしないが嫌な感じはしていない……今は気に留めておくだけにしておくか。)
(…………メサイアだけでなく、私の正体や神剣の事を知っている事………対象以外の時空間を停止させる程の高度な結界魔術の使い手……まさか先程の”彼女”はエマ達の関係者なのかしら……?)
少しの間考え込んだリィンは再び歩き始めてユウナ達の後を追い、アイドスは真剣な表情で少女の正体について考え込んでいた――――――
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