21ゲキ・ガンガー
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地上降下部隊
地球人が潜む敵基地には、重力効果が得られる質量爆弾を投下したが、残存兵力からも大した反抗を受けず、少数の大型機動歩兵だけで制圧できてしまった。
「逃げ惑うだけとか、こいつら本当に兵士なのか?」
敵の余りの練度の低さに鼻を鳴らした少年兵達。
優人部隊への選抜には漏れ、二級跳躍者への遺伝子操作も完全ではなかったが、訓練中の優人部隊艦に乗り込んでも死亡しない程度には、跳躍空間に汚染された艦で生活できて、ここまで到達した最精鋭の少年兵達。
周囲に配置された敵部隊が基地に帰投集結し、散華する瞬間を待ったが、それはいつまでもやって来なかった。
地球軍は逃亡した。士気が低すぎて火星を守る理由など、何一つとして持ち合わせていない地球人も、大型機動歩兵にも会敵した瞬間に降伏した。
「何たる無様な醜態、厚顔無恥、味方を見捨てて逃げ去ったのか? 有り得ん」
アトミック、バイオ、ケミカルの三重攻撃で廃墟となった地球人軍事基地。
施設中央付近には質量攻撃による大穴が空いていて、鹵獲した爆発物を使用して、基地施設が今後利用できないように爆破作業まで行われていた。
ここまでの体たらくなら、基地ごと専有して再利用もできたが、穢れた地球人が建設したものを利用する気はない。
そして、自分たちが虜囚の辱めを受けないのと同じく、敵が降伏しても許さず、武装解除してまとめたところで瓦斯を使用、全員を処刑した。
木連にはジュネーブ条約が存在しない。過去に行われた復讐心しか持ち合わせていないので、改変される前の歴史のように、火星人地球人絶滅まで戦う気概があった。
火星人、月星人、金星人は同胞、という思想はラピス教の教えでもある。
この世界では、金星までテラフォーミングされ、傘が取り付けられて居住可能惑星へと改造されている。
「浸透していた情報部と連絡は取れたか?」
「はいっ、集結地点を受信、タカマガハラ城塞、ニイタカヤマ城塞、ユートピア城塞」
もし上空の先遣艦隊が掃滅されても、地球人に質量攻撃をされないよう「人間の盾」を使用して、直近の城塞都市、ユートピアコロニーにも集結する降下部隊。
そこで燃料弾薬の補給を受けられれば、再び活動ができる。鹵獲兵器も利用する。
姑息卑怯を嫌う木連だが、火星生まれの人民以外は、地球からやってきた一世代目の純粋地球人でもあるので、三等市民以下の認識しかされていない。
棄民の難民キャンプでは、反乱が起こり次第瓦斯で掃滅させられる。
各コロニーでは解放軍の来訪になるが、相手がガチガチの右翼だと知れ渡ると、左翼派の革命軍とは意見が合うことなど起こり得ず内戦になる。
支配層はラピスに爆破されて消えているが、戦争屋とか補給の手配師とも話し合えるとは思えない。
「爆破作業を終了。敵部隊集
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