正規空母・瑞鶴と提督の話
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どおかしいだろ?真冬に雪山の中を縫うように走るバスの車内だ。窓を開けているようなバカはいないし、暖房もかかっていて車内は暖かいハズ。事実、寝る前は凄く快適ですぐに寝付ける程だったんだ。それがいきなりの冷たい空気で目を醒まさせられた。そしたら、窓の外から聞こえてくるんだよ……ザッ、ザッ、ザッ、ザッ、ザッて。雪を掻き分け、踏み固めるように進む足音が。まさかと思ったね、俺ぁ。あのオバチャンが言ってた事は事実だったのかって。足音がするなら外には遭難した連隊の幽霊がいるはずだ。窓にかかったカーテンを少し避ければ、外の様子が窺える。よし、どうせならその姿を確認してやろうってな。そう決意してカーテンに手をかけようとした、その時だ。
『止めときな、魅入られて参加させられるよ』
オバチャンバスガイドに止められたんだ。話によると、外の様子を窺って、万が一連隊の行軍を目撃すると魅入られて山で遭難するらしい。そして遭難した奴は連隊に組み込まれ、いつ終わるとも知れない行軍を続けさせられて成仏も出来ないんだそうだ。
『ウチの会社の若い娘も1人やられてね。それ以来八甲田を越えるまで眠らないようにしてるのさ、アタシは』
乗客の中に外を見ようとしている奴が居ないかをチェックしているらしい。その話をしている最中も、外から足音が聞こえていた。やがて足音が遠ざかり、一安心と思った瞬間、足に激痛が走った。つったのかとも思ったが、刺すような痛み。まさかと思って靴を脱いだら、足が赤く腫れてやがった。後で病院に行ったら……軽い凍傷になりかけていたとさ。変だよな?まだ雪にも触ってねぇ上に、暖房の効いた車内で凍傷になりかけるとかよ。
これで俺の話は終わりだ。スキーやスノボは嫌いじゃないが、冬の八甲田山方面だけは今も行かないようにしてる。
蒼龍「怖っ!」
飛龍「もう100年以上経つのに、まだ成仏出来てないんだ……」ガクガクブルブル
翔鶴「部屋の中なのに、震えが……」ブルッ
瑞鶴「あ〜怖かった。でも、加賀さん悲鳴でも上げるかと思ってたのに」
加賀「」←白目
一同『き、気絶してるー!?』
提督「加賀も気絶しちまったし、今日はこれでお開きだな」
瑞鶴「えー!?もっとやろうよぉ」
提督「バカ、明日は他の鎮守府から演習に来る予定だろうが。布団用意して、さっさと寝るぞ」
赤城「あ、一緒に寝てくれるんですね」
提督「……加賀が離してくれないんでな」
加賀「」←気絶しつつも提督をガッチリホールド
一同「あっ(察し)」
提督「さ、とっとと寝床の準備すんぞ」
飛龍「はーい」
赤城「……………」
翔鶴「どうしたんです?赤城さん。深刻な顔して」
赤城「さっきから提
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