第2章
戦闘校舎のフェニックス
第23話 もうひとつの決戦、始まります!
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を見てきましたが、あなたのように思ったことをそのまま顔に出して、思ったように駆け回る方は初めてです。サーゼクスさまもあなたをおもしろいと仰ていましたよ」
そう言うと、グレイフィアさんは懐から一枚の紙切れを取り出した。そこには魔方陣が描かれていた。
グレイフィアさんはその紙を俺に差し出してきた。
「これは?」
「招待状だそうだ。婚約パーティーへのな」
「俺も部長に付き添えと!」
明日夏の言葉に、思わずキツく言ってしまう。
「話は最後まで聞け。なんでも、パーティー会場を派手に盛り上げてほしいらしい」
「え? それって?」
「『妹を取り戻したいのなら殴り込んできなさい』。これを私に託したサーゼクスさまからのお言葉です」
グレイフィアさんの言葉に、どう返したらいいのかわからないまま、俺は魔法陣が描かれた紙を受け取った。
よく見ると、裏にも別の魔方陣が描かれていた。
「そちらは、お嬢さまを奪還した際にお役に立つでしょう」
それだけ残すと、グレイフィアさんはこの部屋から魔法陣で転移していった。
俺は再び、魔法陣が描かれた紙を見る。
考える必要なんてない!
俺が立ち上がると、明日夏が声をかけてきた。
「行くのか?」
「ああ。止めたって無駄だからな。俺の心はさっき言った通りだ」
「だろうな」
明日夏は笑みを浮かべたまま、肩をすくめる。
「止めねぇよ。つか、俺も行くぞ」
「え?」
その言葉に、思わず呆気に取られてしまう。
「い、いや、ちょっと待ってくれ! これは俺の問題──」
「アーシアのときもそうだが、水くさいんだよ。部長を助けたいのは、俺も同じだ。あのゲームに参加できなかった歯痒さ、参加してたおまえにわかるか?」
明日夏は真剣な眼差し言う。
そっか、明日夏は俺と違って戦えなかった。もしも俺がその立場だったら、本当に歯痒かったろうな。
「ああ、わかったよ。力を貸してくれ、明日夏」
「頼まれなくても行くつもりだ。そもそも、その招待状は俺の分も兼用してるんだからな」
えっ、そうだったのか。
まぁ、とにかく、俺も明日夏も覚悟はもう決まっている。迷う必要はない!
ふと、机の上を見ると、新品の制服が置かれていた。
どうやら、初めから俺が迷わず乗り込むだろうと確信していた明日夏が用意してくれたらしい。ありがたいぜ、親友!
着ている服を脱ぎ、制服の袖に手を通したときだった。部屋のドアが開き、アーシアや千秋、鶫さんに燕ちゃんが入ってきた。
「イッセーさん?」
「イッセー兄?」
「イッセーくん」
「イッセー?」
アーシアたちが俺の名を口にした次の瞬間、涙を流し始め、手に持っていた水の入った洗面器やタオルな
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