第六十四話 マチアス囮作戦
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て、皇帝陛下と皇女殿下から薔薇を下賜された事を話し、
大いに驚かれたのであった、妻と娘は挿し木にして育てようと相談を始めていた。
メルカッツは心地よい気分に包まれていた。
■オーディン ノイエ・サンスーシ 小部屋 テレーゼ・フォン・ゴールデンバウム
お昼過ぎにメルカッツ提督に会い、ローエングラムの事を父様と共に頼みました。
提督は感激していたみたいです。
奥さんと娘さんに薔薇をあげましたよ。
何れ家族は保護する予定ですから、印象を良くしておかないとですからね。
今日はカール・マチアスについて僅か3週間ほどで決定的な話が入ったそうでその報告です。
流石はケスラーですね、早いです。
真剣な表情のケスラーが話し出します。
「先だって、殿下より調査をご依頼されました、
フォルゲン伯爵令息のカール・マチアスですが。
確かに軍嘱託俸給以上の浪費を続けておりました」
「しかし其れだけでは、実家からの資金かもしれんな」
爺様合いの手が旨いですね、流石は名コンビ。
「はっ資金の流れも調べたところ、
フォルゲン伯爵からの、資金援助は殆ど無いようです。
元々カール・マチアスは貴族専用大学を7年も掛けて卒業したうえ、
兄のフォルゲン伯爵のコネで軍に中佐待遇嘱託として採用された様な男です」
困った人間だとみんなが思っているようです。
此処はちゃんと言ってあげましょう。
「つまり、貴族ならアホでも入れる大学に入ったのに、3年も留年してやっと卒業し。
就職先が無いから兄としては、世間上みっともないから、コネで軍に入れたと言う、
お馬鹿さんと言うわけですね」
「要約すれば、その様な者じゃの」
「資金流れが不明な為、テレーゼ様の違和感を確かめるべく此処3週間監視していたところ。
彼がサイオキシン麻薬の売人と接触していることが判明しました」
父様も驚いてますね、私は知ってますが、驚いたふりをしますよ。
「えー其れは大変じゃないの、マチアスは麻薬中毒患者なの?」
「いえ、彼のカルテ等を調査しましたが、麻薬中毒を示す症状は見かけられませんでした」
「となると、何故売人に接触したのかの」
父様は惚けか本当に判らないのかどっちだ?
まあ私が結論をぶつけますがね。
「ケスラー、もしかしてマチアスは売人の元締めじゃないの?」
ケスラーも流石という顔しますね。
「テレーゼ様、その通りでございます。
マチアスはサイオキシン麻薬を売人に卸し、
その売り上げを生活資金や結婚資金に活用しようとしている模様です」
「直ちに逮捕するべきじゃな」
「陛下準備なさいますか?」
「そうじゃな」
此処でマチアスだけ捕まえても、ハルテンブルク伯爵やフォルゲン伯爵を利用で
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