井上 慶介
第一章 禁じられた領域
第三話 信用と利用
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ち上がり、井上の肩を軽く叩く。
「これから、ある女に会いに行く」
「女?何やじいさんの彼女か?」
「アホ、こんな時に女紹介するか。会うのは、街1番の情報屋だ。俺はこの蒼天堀の情報しか持っていないが、彼女は日本全国の情報を何でも持ってやがるんだ」
胡散臭い。
井上の脳裏に、この言葉が浮かんだ。
大阪だけならともかく、日本中の情報を持つ人物なと規格外すぎる。
あまりにも現実と、かけ離れていた。
そう思う井上の答えも聞かず、檜山は歩き始める。
「この近くのバーだ。彼女の事を信じるなら、俺について来い」
俺のことを信じるなら……と口にしない檜山に、何処か共感が持てた。
檜山自身の事は、信用しなくていい。
人を信用しない井上の心境を見透かされているようで、悪寒が走る。
そんな井上も、檜山や情報屋を信じるつもりは毛頭なかった。
利用出来るものは、とことん利用する。
ただそのことだけを、胸に刻んでいた。
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