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魔法少女リリカルなのは 〜黒衣の魔導剣士〜 Another
第9話 「接触・忠告」
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止めた。現れたのは黒いコートを纏った黒髪の少年。その少年の顔に私は見覚えがあった。

「君は……」

 先日街中で顔を合わせた少年だ。それほど会話したわけではないが、アルフが絡んでしまっただけによく覚えている。

「夜……夜月くん?」
「悪い……もう少し早く来るべきだった」
「な、何で夜月くんが……」
「そのへんはあとで話す……今はあっちだ」

 少年の目がこちらを向く。
 敵意のようなものは感じない。ただ何かしらの感情はあるように思える。
 見たところあの少女とは知り合いのようだ。なら傷つけた相手……それが先日顔を合わせた人間なら何か思うところがあるのはおかしいことじゃない。
 問題になるのは……彼が少女と知り合いであるということ。それは必然的に私にとって敵ということを意味する。
 あの落ち着き用……多分あの子と違って魔法に慣れてる。
 少女と知り合いということはこの街に住んでいる可能性がある。なら普通なら魔法に慣れているのはおかしい。この世界は魔法文化のない管理外世界なのだから。
 でも稀に管理外世界の人間が魔法世界を訪れることはある。
 なら逆に魔法世界から管理外世界に移り住んだ人間が居てもおかしくはない。彼の家がそういう家系なら魔法に関する知識を有しているのも納得がいく。故に……彼は現状私にとって最大の敵だ。

「……あなたもジュエルシードを狙ってるの?」
「否定の返事をしたら君は信じてくれるのか?」

 答えはノーだ。
 私は彼と少ししか話したことがない。言葉を鵜呑みに出来るような信頼関係があるはずがない。
 だけど……彼が嘘を言っているようにも思えない。彼の目は痛いほど真っ直ぐ私を見据えていて……それでいてどこか寂しく悲しげだ。
 どうしてあんな目で私を見るのか。
 そんなことを考え始めた矢先、少年が少し動いた。足を半歩前に出す。ただそれくらいのことだったが、私は反射的に魔力弾を放ってしまう。
 彼の傍には先ほど被弾した少女も居るだけに思わず声を漏らしそうになる。だが……

「ッ……!」

 黒い閃光が走ったかと思うと、私の放った魔力弾は跡形もなく消えた。
 魔力を破壊……いや斬り裂いたのは少年だ。彼の右手には煌くように黒く輝いている長剣が握られている。
 おそらくあの剣はデバイスだろうが、子供が使うにはあの大振りだ。
 しかも魔力刃ではなくそのままの使用を想定して作られているのか、装甲もバルディッシュに比べると厚いように見える。
 普通ならまともに触れなさそうだけど……あの子は軽々と扱ってみせた。
 それも眉ひとつ動かすことなく冷静に。今のだけで戦闘力を計ることは出来ないが、少なくとも先ほどの少女よりも格段に上だ。もしかすると私よりも……

「それが君の答えか? 現状
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