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魔法少女リリカルなのは 〜黒衣の魔導剣士〜 Another
第9話 「接触・忠告」
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観察していると、一直線に黒獣が向かってきた。
 しかし、黒獣は途中で空へと向かって跳躍。漆黒の翼を生やして逃亡を始めた。獣のとしての本能が私には勝てないと悟ったのかもしれない。

「でも……」

 私の目的はジュエルシードを手に入れること。出来るなら誰かを傷つけるような真似はしたくないけど、必要とあれば容赦はしない。
 高速移動魔法を用いて逃亡する黒獣の背後へ回り、黒獣の左翼に向けてバルディッシュを一閃。紫色の鮮血が舞い散り、バランスを崩した黒獣は回転しながら高度を下げていく。
 だが再生能力が高いらしく、失った左翼を復活させて体勢を立て直したようだ。
 一度着地した私は追撃しようとした瞬間、背後に落ちた切断した左翼が目のない蛇のように変異し襲い掛かってきた。
 冷静に前方に跳びながら回避し、体勢を立て直す。バルディッシュを構えながら雷撃を放ち、異形の生物を粉砕した。

「グオォォォオオ!」

 自分から意識が逸れていたことを好機と思ったのか、黒獣がこちらへ向かって勢い良く降下してくる。
 あの獣の再生能力からしてさっきみたいに加減してたら埒が明かない。それにあまり長引かせるのも良いとは言えない。ここは一気に仕留めよう……

「……ッ」
「でぇぇぇい!」

 気合の声と共に桃色の光が黒獣へと飛来し、一気に地面へと叩き落とした。
 今のは……魔力反応があることからしても私以外の魔導師があそこに居る。ジュエルシードを狙っているのかまでは分からないけど、あの魔導師が何かする前に黒獣のジュエルシードを回収しないと。
 空へと上がって移動していると、下半身が骨のようになった黒獣が空へと昇ってきた。先ほどの一撃が効いているのか再生する様子はない。
 バルディッシュをサイズフォームへと切り替えながら接近し、魔力を高めながら一気に振り下ろす。

「ジュエルシード……封印!」

 雷鳴に等しい一撃によって黒獣は爆ぜる。
 これでジュエルシードは問題ない。そこに居る魔導師がどう出るか……

「……っ」

 視界に映ったのは白いバリアジャケットを纏った少女だった。
 見たところ私とあまり年代は変わらず、こちらに敵意があるようには思えない。あちらももうひとりの魔導師が子供だったことに戸惑っているだけなのかもしれないが。
 いや、そんなことはどうでもいい。長居は無用、早くジュエルシードを回収して戻らないと……

「あ……あの、待って!」

 少女は私がジュエルシードに近づくと慌てて声を掛けてきた。
 どうやらこの子の狙いもジュエルシードのようだ。どういう理由なのかは不明だが、それでもこれだけは言える。ジュエルシードを奪おうとするなら私の敵だ。
 とはいえ、可能ならば荒事に発展させたくはない。必要のない戦闘を
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