第3章 着鎧甲冑ドラッヘンファイヤーSTRONG
前編 重過ぎた鎧
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半分終わってるんですけど?」
「何世紀だろうとピコピコはピコピコだ!」
「ハァ……ほら、ハーゲンダタッツやるから機嫌直してくださいよ」
「あん? どしたんだこれ」
「タバコ屋の婆ちゃんが差し入れだってさ」
「いい人だね〜クソガキ共と違ってさぁ」
警官も自転車を交番前に留めると、机の上に座りながら買って来たアイスに手を伸ばす。どちらも、警察官としての自覚というものがまるで感じられない様子だが……この交番は、普段からこんな調子なのだ。
「あなた達……またそんな格好で……! いい加減にしなさい、警察官として恥ずかしくないのですか!」
――だが、当然ながらそうではない警官もいる。この暑い中でありながら、しっかりと制服を着こなした一人の婦警が、仁王立ちの姿で二人の前に現れた。
茶色がかった黒髪をボブカットに切り揃えた、色白の美女。その薄着の制服を内側から押し上げ、いまにもはち切れそうなGカップの巨峰。すらりと伸びた白くしなやかな脚。
どれを取っても、こんな下町の交番には勿体無い美人警官が、眉を吊り上げ二人を睨みつけている。実は彼女もパトロールから帰って来たところなのだが……言うまでもなく、アイスを咥えながら自転車を漕ぐ同僚とは正反対のタイプだ。
「あすかちゅわ〜ん! 会いたかったよぉ、お願いだから今日こそおっぱい揉ませ――ぶぎゃあ!」
「一煉寺! あなたみたいないい加減な同期がいると、私まで迷惑なのよ! パトロール中くらいボタン締めたらどうなの!」
「やっべ……また始まったよ……」
「聞いてるの!?」
彼女は飛びついて来た部長を裏拳で沈めた後、アイスを咥えたままの警官に詰め寄ってくる。
――彼女の名は沙原あすか。今も胸元をはだけている一煉寺龍誠とは警察学校の同期であり、トップクラスの成績で卒業した秀才である。
それゆえ、当時は警視庁への配属も検討されていたエリートだったのだが……本人たっての希望により、今はこの下町の交番に勤務している。
……というのも。警察学校時代から、だらしない劣等生として教官達が頭を抱えていた一煉寺龍誠が、この交番に配属されると聞いたのが原因であった。
――あんな問題児をこのまま世に出したら、警察官の沽券にかかわる。主席の自分が何としても監督し、他の同期達の名誉を守らねば。
そんな義憤に突き動かされた結果、彼女は龍誠を追う形でこの交番に来たのだが……本人ばかりか上司までこのような調子であるため、頭を悩ませる毎日を送っているのだ。
「……おっとぉ! そういやそろそろ次のパトロールの時間だなぁ! いやぁ、市民の生活を守るのも大変だなぁ、うん!」
「ちょ、ちょっと! 話はまだ終わってないわよ! 大体あ
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