暁 〜小説投稿サイト〜
フルメタル・アクションヒーローズ
後編 侍と忍者
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る。

「済まんが急用が出来た。話の続きはまた今度だ!」
「あの、ちょ、待っ……!」
「ぬぁあぁああ! 『CHITOSE』のサインが俺を呼んでいるぅぅぅうッ!」

 千歳の制止を完全に振り切り、真田は屋上から駆け出し秋葉原を目指して爆走していく。
 埃を巻き上げ、一瞬にして走り去った彼の残像に、千歳は暫し呆然としたまま手を伸ばしていた。

 ……やがて、引きとめようがないと判断した彼女は、がっくりと肩を落とす。そんな彼女の手には――自分が持っていた、「CHITOSE」の直筆サインが握られていた。

「……もぉ。『CHITOSE』なら、ここにいるんだぞっ」

 ぷぅっと可愛らしく頬を膨らませる彼女。
 誰にも知られていない究極の秘密を打ち明けようとして、見事にタイミングを外された彼女は……相方と並んで校庭を疾走する想い人を、不満げに見下ろしていた。

 ――だが。その眼差しは、深い恋情にも満たされている。

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