後編 侍と忍者
[10/10]
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
る。
「済まんが急用が出来た。話の続きはまた今度だ!」
「あの、ちょ、待っ……!」
「ぬぁあぁああ! 『CHITOSE』のサインが俺を呼んでいるぅぅぅうッ!」
千歳の制止を完全に振り切り、真田は屋上から駆け出し秋葉原を目指して爆走していく。
埃を巻き上げ、一瞬にして走り去った彼の残像に、千歳は暫し呆然としたまま手を伸ばしていた。
……やがて、引きとめようがないと判断した彼女は、がっくりと肩を落とす。そんな彼女の手には――自分が持っていた、「CHITOSE」の直筆サインが握られていた。
「……もぉ。『CHITOSE』なら、ここにいるんだぞっ」
ぷぅっと可愛らしく頬を膨らませる彼女。
誰にも知られていない究極の秘密を打ち明けようとして、見事にタイミングを外された彼女は……相方と並んで校庭を疾走する想い人を、不満げに見下ろしていた。
――だが。その眼差しは、深い恋情にも満たされている。
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ