第11話 消防士ヒーローの本懐
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……つーかアイツ車乗ってるけど、免許あんのか?」
「え?」
「い、いや何でもねぇ」
「……?」
不思議そうに首を傾ける真里の隣で、恵は鎮火に勤しむ「救済の遮炎龍」の――幸人の姿を、誇らしげに見つめていた。
うなだれる美夕達には目もくれず、その瞳は自分の心を射止めた男だけを、焼き付けている。
(……ありがとうな、才羽。真里のこと、ちゃんと守ってくれて。……やっぱ、やっぱさ――)
その気持ちには、もはや言い訳の余地はない。
救援に駆け付けた生徒会や有志の生徒達が、バケツリレーの消火活動を始めても。美夕達が他の生徒会役員達に連行されても。
鎮火が終わった途端、目をハートにして飛びついてきた琴海をかわし、「小型高速自動消防車」で走り去る瞬間まで。
(――あんたのこと、好きだわ。もう、誤魔化せないくらい……)
恵の熱い眼差しは、「救済の遮炎龍」の――才羽幸人の勇姿だけを、映し続けていた。これで最後だと、頬に雫を伝わせて……。
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