最終話 地獄を感じた、あの日から
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どんないきさつかは、知らないがな。自分を幸せに出来ない奴は、他人を幸せになんか……出来ないんだぜ」
少年がそれをわかっているか否か。それを見抜けなかった和士は、案じるように言葉を投げかける。だが、この喧騒の中で聞こえる声量ではない。
言える立場ではない、という意識が邪魔したのだろう。事実、少年がいなければ少女は助からなかった。
その意識の強さが、いたたまれなさを生んだのか。和士は踵を返すと、少年から離れるように被災者達の方へと向かっていく。混迷の中で人々が、傷つけ合うことにならないために。
それが和士に残された、レスキューヒーローとしての矜恃であった。
――時は二◯三四年。新しいヒーローの物語はまだ、始まってすらいない……。
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