最終話 地獄を感じた、あの日から
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第三世代型《サードフェイズ》』着鎧甲冑のデバイス!?」
救芽井エレクトロニクス上層部しか知り得ない門外不出の最新鋭機。そのスーツを粒子化した専用デバイスが、彼の胸に巻かれていた。
――初めて世に現れた着鎧甲冑である「救済の先駆者」や、世界的にその名を知らしめた伝説的ヒーロー「救済の超機龍」。
それら黎明期の着鎧甲冑は「第一世代型」と呼ばれる。
基本となるヒーロースーツに様々なオプション装備を携行させ、汎用性に特化したその世代に対し――「第二世代型」では海中や空中など、局地的な状況に特化した増加装甲による、基本性能の底上げが図られた。
「救済の超水龍」や「救済の超飛龍」等が、それである。
だが、状況とは常に移り変わるもの。「第一世代型」の汎用性も、「第二世代型」の局地性も、犠牲には出来ない。
それに対する回答は、スーツを粒子化して携行するデバイス自体を「腕輪」から「ベルト」に大型化することで、デバイスの容量をギリギリまで高め――スーツと増加装甲の両方を粒子化・収納し、自在かつ同時に展開するシステムを実現する、というものだった。
そうして、救芽井エレクトロニクス随一の技術を持つ四郷鮎子博士の設計から「第三世代型」の第一号が開発されたのだが――「腕輪型着鎧装置」に代わるデバイスとなる袈裟ベルトが、スーツと増加装甲を一纏めにした影響で六十キロ以上の重量になるという、到底「有事に備えて手軽に携行」するデバイスとしては成り立たない代物になっていた。
――そのため、正式なロールアウトは見送られたはずだったのだが。
かつて和士は噂で、より軽量かつ効率的に運用できる「第三世代型」のデバイスを開発すべく、データ収集のために開発関係者が第一号をテスト運用している――という話を聞いたことがあった。
「まさかお前が!?」
だが、その噂が本当であることも。その「開発関係者」がこんな少年であることも。和士はこの瞬間まで、信じてはいなかったのだ。
限界まで、粒子化したスーツと増加装甲を袈裟ベルトへ詰め込むためにオミットされた、音声入力機構に代わる着鎧スイッチ――漆黒のカードキーを、その視界に捉えるまでは。
「――接触」
少年の呟きと共に。開かれた袈裟ベルトのカバーに、カードキーが装填される。彼がカバーを閉じた時――
『Armour Contact!!』
――電子音声と共に。門外不出の「第三世代型」が、和士の前に姿を現した。
一瞬にして彼の全身を固める、真紅のヒーロース
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