第30話 ストライカーシステム
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ゃ速い奴が使ったら、どれくらいめちゃくちゃな速さが出せるかデータを取りたい――って話だろ?』
『予想していた通りの頭の悪い回答だが、主旨は理解しているようだな。その通りだ』
『……なんかいちいち引っかかる言い方するなぁアンタ。まぁいいや、でもなんでオレなんだ? 確かに足にはそこそこ自信はある方だったけどさ。オレもうこんな足だし、仮に事故がなかったとしても、もっと速い奴は他にいたんじゃないのかい? その、「ストライカーシステム」ってシロモノのテストにはさ』
ストライカーシステム。
ダイバーシステム、フェザーシステムという二つの新型レスキューヒーロースーツに携わってきた和士が、独自に開発したワンオフ特別実験機である。通称、「救済の超駆龍」。
「腕輪型着鎧装置」に粒子化内蔵された黄色いヒーロースーツを纏い、「基本形態」に着鎧したのち。左脚の筋電義肢型デバイス「超駆龍の剛脚」に粒子化内蔵された増加装甲を二段着鎧。「疾走形態」に移行する。
このシステムの最大の特徴は、義足に粒子化内蔵された増加装甲の特性にある。――増加装甲という体であり、実際、特殊合金により装甲の役割も果たしてはいるが。
このパーツは正確には増加装甲ではなく、スーツの出力を増大させる「装甲型の」バッテリーパックなのだ。
フェザーシステムに纏わる任務で和士がその存在を知った「改造電池人間」。その体内に埋め込まれる「動力強化装置」。そして、その機構を要求した高出力の最初期型着鎧甲冑。
そのテクノロジーに目を付けていた和士は、自身の名声を利用して救芽井エレクトロニクス本社のデータバンクにアクセスし、この設計図を入手。
「動力強化装置」が考案される直前に存在していた大型の外付けバッテリーパックの技術と、最初期型着鎧甲冑の技術を、自分の手で再現することにしたのだ。
バッテリーパックは装着者の動きを阻害するランドセル型から、体の各部に分散して装着するプロテクター型に仕様変更。高出力の最初期型着鎧甲冑のスーツはそのまま再現し、バッテリーパックが齎すエネルギーのリソースを両脚に集中するようプログラムした。
そうして和士は、装着者の動きをギリギリまで阻害せず、かつ強大なエネルギーを両脚に集中させ、高速で走る動作を可能にした着鎧甲冑を開発したのである。
まさに「速さ」という一点にのみ特化し尽くした、ピーキーな機体。レスキューの最重要課題である「迅速な現場到着」に対する回答を、より先鋭化させたシステムなのだ。
『――確かに、ただ足が早いだけの奴ならお前以上の人材がごまんといるだろう。実際、俺が開発したストライカーシステムの噂を嗅ぎつけ
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