第26話 自分だけに誇る「名誉」
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そしてそれは、彼女自身の闘いでもあった。
長らく聞いていなかった、少年の嗚咽。今まで封じ込められてきた全ての想いが、フェザーシステムという枷を壊して解き放たれていた。
どうせ死ぬならとフェザーシステムに打ち込んでも。死を求めるように、何度も墜落しながらテスト飛行を続けても。
家族に会いたい。生きていたい。その「本心」を、最後まで覆すことは出来なかったのだ。
「……やっと……」
頬を伝う雫が、夏の想いを物語っている。――雲無の意思を尊重するといっても、それは所詮、方便でしかない。
この世でただ一人の「改造電池人間」として、実験動物のように救芽井エレクトロニクスに飼われてきた「弟」は、今ようやく、本当の意味で解放されたのだ。
「姉」として――これほど、満たされることはない。
そして――二人の姉弟の運命を終わらせた、実験部隊新任隊長は。腕の中で啜り泣くたった一人の隊員に、ある命令を下すのだった……。
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