第24話 和士の選択
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、いいな!」
言うべきことを矢継ぎ早に伝え、和士は目一杯の力でふんじばる。そして流れる先へ身体を向け、麗の身体を抱いたまま――バーニアを噴かした。
「聞いての通りだ。麗、ここまで来たからには付き合ってもらう。しっかり掴まれ!」
「うん……! 私に構わず、目一杯飛ばして! 和士ッ!」
突き上げるような爆炎が波を吹き飛ばし、二人の身体を舞い上げて行く。そこから榴弾砲のように弧を描き、堕ちようとする瞬間――
「……ぐぅあぁあぁあッ!」
――絶叫と共に身体を弓なりにそらした和士は、墜ちかけた背部ウイングを上方に引き起こし……ギリギリのところで飛行体勢を安定させた。
「やった……やったよ和士!」
「ああ! ――さあ、急ぐぞ! しっかり掴まれよ!」
「うんっ!」
渾身の力で抱きついていた麗は、彼の言葉に応じるように、さらに背に回していた腕を締め付ける。まるで、逃がすまいと木に掴まるカブトムシのように。
そんな彼女を抱えたまま、和士はさらにバーニアを加速させ、川の激流を追い続けていく。今この瞬間も、助けを求めているはずの少女を追って。
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