ペルソナ3
1935話
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かけた悪戯という可能性もあるのだが……ともあれ、今ここで封筒を開けたりすれば目立つ。取りあえずポケットに入れて後で読もうと考え……
「ふーん、アクセルってば随分と人気があるのね」
それを行動に移す前に、そんな声が聞こえてきた。
誰の声なのかというのは、それこそ考えるまでもないだろう。
声の聞こえてきた方に視線を向ければ、当然というか予想通りというか……ゆかりがジト目をこちらに向けていたのだ。
どこか責めるような視線。
まぁ、ゆかりにしてみれば、影時間を解決すべく一緒に行動している俺がラブレターを貰ったのが面白くないのだろう。
「いや、人気があるってのなら、それこそ有里とか真田とかだろ」
ここで順平の名前が出てこないのは……まぁ、そういう事だ。
クラスのムードメーカーではあるのだが、だからといって恋愛対象としては見られていないのだろう。
順平らしいと言えばらしいが……本人もその辺り、微妙に気にしているらしいんだよな。
「それはそうだけど……」
「人気があるってのは、ゆかりもそうじゃないか?」
「そうだけど、私は全員断ってるわよ!」
何故か焦った様子でそう告げるゆかり。
元々ゆかりは広く浅くといった人間関係を形成するタイプだ。
勿論影時間の影響で俺を始めとして、深く関わっている者もいるが……ともあれ、ゆかりとしてはそんなタイプな訳だ。
それでも……いや、だからこそなのか、ゆかりに告白する奴がそれなりに多いってのは知っている。
当然その全員が見事なまでに撃沈しているのも、同様に知っているのだが。
「それは知ってるけどな。……とにかく、ここで話してるのもなんだし、そろそろ教室に行くか」
何人かの生徒達が、どこか興味深そうにこっちを見ているのが分かる。
このままここで話をしていれば、間違いなく妙な噂話をされるだろう。
それはちょっとごめんだった。
ゆかりもそれは同様だったのか、俺の言葉に頷いて2人で教室に向かい……
「おい、ちょっと聞いたか!?」
教室に入るや否や、友近が俺の方を見ると走って近寄ってくる。
何だ? 何か緊急事態か?
もっとも、友近の表情は別に緊張しているとか、悲しみに満ちているとか、怒りを堪えている……といった様子ではない。
だとすれば、恐らく悪いニュースという訳ではないのだろう。
「何がだ?」
友近に俺はそう答え、ゆかりも友近の様子に興味があるのか、先程までの不機嫌そうな様子は多少収まっている。
……これは友近に感謝だな。
「江古田の奴、停職3ヶ月だってよ!」
「……へぇ。随分と思い切ったな」
何故そのような処分が下されたのかは、俺も理解している。
間違いなく山岸の一件だろう。
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