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フルメタル・アクションヒーローズ
第18話 たった独りの実験小隊
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「はは、それもそうですね」
「まぁでも、フェザーシステムが浸透して全体の習熟度が安定した頃には、あなたの案も役立つかも知れないわね。検討しておくわ」
「ありがとうございます」

 一方、雲無は西条に軽い報告を済ませると、装備をパージして着鎧を解き、フライト後のメンテを始めていた。短いやり取りではあったが、それだけでも二人の関係が良好なものであることが窺い知れる。

「――失礼。どうぞ、こちらへ」
「ええと……西条主任? 彼とは仲がいいんでしょうか」
「え? ……えぇ、そうですね。彼とは古い付き合いですから。可愛い弟のようなものです。それにああ見えて実力も確かですから、頼りになるのですよ。六十二号のフライトの際には彼も随伴しますが、信頼してください」
「そうなんですか……。あの、彼があの年でテストパイロットになった経緯が気にかかるのですけど……俺が知ったら不味いことなんでしょうか?」
「……それについても、すぐにお話しますわ。――このプロジェクトを終わらせてくださる人ですもの、それくらい知る権利はおありのはず」
「……?」

 当人の口ぶりを見ても、二人は公私含めて良好な関係であるようだ。――しかし、そこから先へと踏み込んだ瞬間、彼女は神妙な面持ちで天を仰ぐ。
 その様子を訝しみつつ、和士は自身の愛機の近くでメンテを続けている雲無に視線を移した。

(……なんだ? あの、光……)

 そして、眉を顰める。

 着鎧甲冑のスーツに纏わり付いていた増加装甲を、ひとつひとつ入念に点検する雲無。黒いダウンジャケットを素肌の上に直接羽織り、赤いカーゴパンツに黒い革ブーツという格好の少年は――脇目も振らず、目の前の機械に意識を集中していた。

 だが、和士が眉を顰めたのは格好ではない。――不自然な青い電光を放つ、雲無の胸であった。素肌が露出しているその部分からは、電気が溢れるかのように青白い光が迸っている。よく見れば、その部位には大きな傷痕が伺えた。
 少なくとも――普通の人間に起きる現象ではない。

(もしかしてあの光……あいつがテストパイロットやってることと、何か関係が……?)

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