第15話 天坂三姉妹の悩み
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ひらと手を振りながらソファに寝そべると、テーブルのポテチに手を伸ばす。
「いーのいーの、どうせ家でゴロゴロする気だったし。パパもママも、三二一便の患者がまだまだいるから、遅くまで帰って来れないし。結友姉こそ、海原さんは見つかったの? 今日、アカデミーじゃ卒業式だったんでしょ?」
「……ううん。あちこち探し回ったけど、ダメだったわ」
「そっか……。残念だったね……結友お姉ちゃん。パパもママも、会ってお礼がしたいって言ってたのに」
「大丈夫よ、結花。海原さんには会えなかったけど、伊葉さんから聞いた話だと、今でもどこかで元気にされてるらしいから」
心配げに瞳を潤ませ、上目遣いで姉を見つめる結花。そんな愛らしい妹の頭を撫でながら、結友は慈愛に溢れた笑みで答えて見せる。
「元気ならいいんだけどさー。それならさっさと見つけて捕まえて結婚までこぎつけてよね。そんでブーケちょうだい!」
「け、けけけ結婚!? ま、待ってよ結衣! わ、私達お付き合いどころか、まだちゃんとした面識もないのに……!」
「実物に一回会ってるんだから、写真だけ交換していきなり結婚話に移るお見合いよりマシでしょ。ねぇいいじゃん、あたしも出逢い欲しいのー!」
「現役トップアイドルが何言ってるのっ! 今年度から仕事も増えるんでしょ!」
「大丈夫だよー、マネージャーやプロデューサーなんてあたしがちょっと甘えたら、いくらでもスケジュール調整してくれるんだからぁ」
「そんな不正は許しませんっ!」
その一方で、もう一人の妹のからかいに顔を赤らめ、憤慨するのだった。脳裏に浮かぶ、あの日感じた青年の温もりを想いながら。
――そんな和気藹々とした三姉妹の団欒が続くこのリビングには。天坂結衣こと「フェアリー・ユイユイ」の年間スケジュール表が飾られている。
その一部には、こう書かれていた。
『二◯三三年八月二十日、屋久島でグラビア撮影』
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