第8話 正義の鉄槌?
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た。先ほど、自分が罵倒したばかりの伊葉和士が――この場に駆けつけてきたのだから。
「て、てめぇ……伊葉!」
「なんでここが……!」
「親切なお友達が教えてくれてな。――さて、言い残すことはあるか落ちこぼれ共」
間山と倉知は、その天敵の登場を前に動揺を走らせ――互いに顔を見合わせる。そして、互いに冷や汗を頬に伝わせながら、威勢良く立ち上がった。
「いい気になんなよ、伊葉ァ。この生意気女の調教は、あくまで延長線上のことに過ぎねぇ。本来の狙いは――」
「――お前なんだぜッ!」
「……!」
そして見せつけるかのように、白い「腕輪型着鎧装置」を空に翳し――彼らの全身を、白く簡素なヒーロースーツが覆って行く。間違いなく、盗難された訓練用のものだ。
「貴様ら、どこまでも下衆な……! こんなケンカ如きのために、着鎧甲冑を奪ったのか! 一体貴様らは、何のためにこのアカデミーにっ!」
「うるせぇな。お前みたいなヤツがいるせいで、外部でナンパしても女が寄らねぇんだよ。こっちは溜まって溜まって溜まる一方なんだっつーの!」
「このクソ女は優しくしてやりゃあ付け上がるしよ。もう俺らも、我慢の限界ってやつなのさ。この力でてめぇを再起不能になるまでボコったあと、この女を嬲って弱みを握る。最後はこの女に自分がやったと言わせりゃ、ミッションコンプリートってことさ」
「貴様らッ……!」
着鎧甲冑を纏い、気が大きくなった倉知と間山は、口々に身勝手な計画を語ると――麗の方に振り返る。その粘つくような眼差しを浴び、彼女は思わず身を竦ませる。
だが、彼女が怯えたのは自分が犯されるから、ということだけではない。自分を助けるために来た和士が、着鎧甲冑の馬力で暴行を受けることになる――という未来が、その胸中にのしかかっているのだ。
如何に腕っ節に差があろうと、使用者に超人的身体能力を齎す着鎧甲冑を纏えば、そんなものは容易くひっくり返る。アカデミーの学生ではない彼女から見ても、それは明らかだった。
「へへへ……さぁ、今までの分。たぁっぷり
礼をさせて貰おうか! 二度とデカイ口が利けなくなるよう、両手両足へし折って、芋虫にしてやる!」
「そのあとはこの女だ。生意気な口利いてくれた分、今まで俺達が溜め込んできた分、全部そのエロい身体に叩きつけてやる! ……へへ、こりゃあ孕んじまうかもな。今のうちに、ガキの名前でも考えときな」
血と女に飢え、ヒーローの道から外れたならず者が二人。この学び舎に、悲劇をもたらそうとしていた。
「……ッ!」
絶体絶命であることは、誰の目にも明らか。――しかし、それでもなお。和士は心を折ることなく男達に向き合い、拳を構えて見せる。
一歩も引き下がらない、その毅然とした姿勢に男達は嘲るよ
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