第4話 海原凪の真価
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」
「え、えぇ!? そったらこと……兄ちゃんの方が泥んこになっちまうべ!?」
「今日の式で壇上に上がるのは、首席のお前だけだ。席に座ってる奴に泥塗れの奴が混じるのと、首席が泥塗れで挨拶するのとじゃ、全然違う」
「で、でも兄ちゃん……」
「……和士だ」
「え?」
「俺は、伊葉和士。好きなように呼べ、海原」
和士は捨て台詞のように、そう言い切ると「さ、急がないと遅刻だぞ」と足早にその場を立ち去って行く。彼の言葉を受け、暫し呆気にとられていた凪は、我に返ると――にへら、とだらしない笑みを浮かべて、その後を追った。
「和士くん、かぁ。へへへ、いい名前だべ。おらのことも、凪って呼んでいいだよ」
「そ、それは別にいい」
「あー、照れてるべ? うへへ、めんこいなぁ」
「うるさい! 頭を撫でるなッ!」
騒がしく言葉を交わし、アカデミーを目指す二人。そんな彼らの頭上では、暗雲を晴らした青空に――七色の虹がかかっていた。
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