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俺の四畳半が最近安らげない件
死神の密度
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しか手入れ出来ないから雑草が凄くて」
「そ、そうですか…その、いい思い出で……」
「でさ、雑草がどうしても許せなくて結局、物凄い大鎌を特注しちゃってさ」
―――ん?
「本当は肌が弱いから畑仕事とか向かないんだけど、体全体をすっぽり覆う黒いフードを着てまで畑の世話をしようとして」
―――待て、それは。
「夏でもその恰好だから、サウナ効果でガリッガリに痩せちゃって、パッと見骸骨みたいでしたよ」



「守護霊か――――い!!!」



黒いテーブルを思わずタロットカードごとひっくり返してしまった。
「え?え?占い師さん!?」
「只のジジイかよ紛らわしいんだよ!死神憑けて来たのかと思ったわ!!」
「えっ何云って…何が見えてるんですか!?」
「なんで大鎌を特注する!?なんで芝刈り機じゃないんだよ!!それはそれで厭なルックスになるが!!」
「いや俺も思ったけど…え?え?占い師さん、なんで泣いてんですか?」
「ビックリしたわぁ―――!!占いことごとく最悪だし!!後ろに死神みたいなの憑いてるし!!」
「え!?それ爺さ」「もうどうでもいいわぁ―――!!!見料要らんからもう出ていってくれぇ―――!!!」


……そんな感じで死神そっくりの爺さん憑けた原畝を、ガン切れ状態で追い出してから一月経つ。


原畝の会社はここの近所にあるらしく、あれ以来ちょくちょく見かける。原畝自体はどこにでもいるような特徴のない容姿なのだが、守護霊のインパクトが普通じゃないので街を歩いているとすぐ分かる。
最近気が付いたのだが、原は基本的に運が悪い。流石、大凶数の名を背負うだけある。よく犬に吠えられるし、何もない所で躓くし、厄介な奴に絡まれているのを見たこともある。
ただ、それが致命的なトラブルに至ることは絶対にない。
後ろに死神みたいな奴が常につきまとっているので、本物の死神が『…先客?』と戸惑うらしく、近寄ってこないのだ。


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