第5章:幽世と魔導師
第141話「がしゃどくろ」
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動させる。
「椿直伝…!存分に、食らいなよ!!」
そして、離れを行った。
―――“弓奥義・朱雀落”
カッ―――!!
射法八節の最後、残心をこなし、放った矢の行く先を見る。
矢はがしゃどくろの額に見事命中していた。
「(……勝った)」
それを見て、私は確信した。
これで、倒したも同然だ。
「ォォオ……ォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!?」
刺さった箇所から、炎が膨れ上がる。
あの矢に込めた霊力は、この戦いで放った術の中で最も多い。
だからこそ、膨れ上がった炎はがしゃどくろを丸ごと包み込む。
「ありったけの火属性の術式を込めた矢。これで焼き尽くせなかったら、それこそ私達の手に負えない相手だね」
「凄い火力……さすがね…」
「椿、こんなの何度も放てるんだね……」
燃え尽きていくがしゃどくろを見ながら、そんな事を呟く。
「……倒したね」
「アリサとすずかは見ていて。私は門を閉じてくる」
ほぼ燃え尽きて灰になっているとはいえ、油断はできない。
見張りを二人に任せ、私は門を閉じに行った。
「……よし、と」
「これでようやく…ね」
「まだまだ日本中にはあるんだよね…」
門を閉じ、端末で門を閉じた事をアースラに伝える。
私達が移動するにはアースラを介した方がいいからね。
「……暗いなぁ…」
「一応、私は夜目が利くから、先頭を行くよ」
「任せるわすずか」
夜の一族であるすずかは、当然のように夜の時間帯の今でも周囲を見渡せる。
……それにしても、よくこんな暗い中で戦ったなぁ…。
まぁ、何度か放った火属性の術とかが光源になってたから……。
「……あ」
「アリシア、どうしたの?」
「……火、消し忘れてた」
ふと見渡せば、戦闘で放った火属性の霊術が、木に燃え移っていた。
「しょ、消火ー!!」
……この後、アースラからの迎えが来るまで、私達は消火活動をすることになった。
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