第5章:幽世と魔導師
第141話「がしゃどくろ」
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!鬼の力よ!!」
―――“斧技・鬼神”
斧を構え、霊力を術式に通す。
その瞬間、途轍もない力が私の中を駆け巡るのが理解できる。
……“行ける”。そう確信して、私は斧を振るった。
バキィイッ!!
「ッ――――――!!」
拳を叩き割るように、弾き返しす。
がしゃどくろの拳には罅が入っており、大ダメージも与えていた。
作用反作用の法則を伴ったその衝撃は、途轍もないものだったのだろう。
巨体なはずのがしゃどくろは、大きく仰け反っていた。
「ッ……!今!!」
そして、攻撃はそこでは終わらない。
何のために私だけが前に出たのか。何のために拳を弾き返す事を選んだのか。
……答えが、これだ。
「はぁあああっ!!」
―――刻剣“火紋印”
「はっ!!」
―――“槍技・一気通貫”
私の後ろから駆け抜けるように、アリサとすずかが突貫する。
まず、アリサが刀に炎を宿し、腕などを切り裂きながら胴体へと向かう。
同時に、すずかががしゃどくろの目の部分へと向かい、一気に槍で貫いた。
骨しかないように思えるがしゃどくろだけど、目の部分には瘴気か何かによる闇色の光が灯っているため、効果はあるはずだ。
「もう、一発!」
―――“氷柱”
槍を突き刺したすずかは、すぐに槍を手放し、もう片方の目に対して、拳を叩きつけるように霊術を叩き込んだ。
「(まず、目を潰した……!)」
身体強化の反動で無防備になりながらも、私は状況をしっかりと把握する。
体勢を立て直すまで、10秒かかる。その内の5秒は、突貫からのすずかの攻撃だ。
そして、残り5秒の間は……アリサだ。
「せりゃぁあああああああああああ!!!」
―――“速鳥”
炎を刀に宿したアリサは、速度を上げる霊術を使って、何度も斬りつける。
攻撃に特化させるために二刀に変えたアリサは、怒涛の攻撃を見せる。
「(凄まじい……けど、あれ絶対消耗も大きいよね?)」
明らかに全力疾走の如き攻撃っぷりだ。絶対長くは持たない。
その代わり、がしゃどくろがその場に膝を付いて動けなくなる程にダメージを与えているみたいだけど。
「……まぁ、これで十分なんだけどね」
既に私も体勢を立て直した。
そして、弓と一本の矢を展開する。
ここまでダメージを与えたのなら、もうこの一撃で片が付く。
「………アリサ!」
「っ!」
足踏み、胴造り、弓構え、打起し、引分け、会。
そこまで来て、アリサに声を掛ける。
すぐさまアリサはその場を飛び退き、すずかと共に置き土産に拘束術を発
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