第5章:幽世と魔導師
第141話「がしゃどくろ」
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この術は、司と私しか習得出来なかった術で、だからこそすぐに出来る浄化の術の中でも効果が高い。これで、呪詛の効果も消えるはず。
「……っ……う……」
「アリサちゃん!」
少し呼吸が楽になった様子で、アリサは少し呻き声を漏らす。
「…助かったわ。アリシア」
「困った時はお互い様。……でも、あれには気を付けないとね…」
私はすぐに術で回復して、すずかの場合は夜の一族で、呪いの類には若干の耐性があったから大丈夫だったのだろう。
……でも、それでもまともに受けていいはずがない。
「がしゃどくろそのものの動きは、各自で対処できるのは分かったわ」
「……でも、あの呪詛が厄介…か」
「…私も前に出た方がいいかな?私なら、呪いの類には耐性があるし…」
まだ見つかっていない内に、どうするべきか決めておく。
「前に出るのはいいとしても、耐性があるからって楽観視はダメだよ」
「うん。でも、経験が活きている今なら、考えて動くよりも、感覚に頼った方がいいと思って」
すずかの言う通り、今は経験が活きている。
特にすずかの場合は、元々考えて動く性格なのに、夜の一族の身体能力もあって実際は感覚で動いた方が良い動きができたりする。
あ、ちなみにすずかが夜の一族だって言う事は、修行に参加した面子は全員知っている。まぁ、吸血鬼の葵がいるから今更って感じだもんね。
「まずはあの周りにある呪詛を祓う必要があるね」
「確か……聖属性が有効だったわね」
「うん。この中では、私が一番得意だから、二人は気を引いて」
反対に一番苦手なのはすずかだったりする。夜の一族だからね…。
アリサも扱えると言えば扱えるけど…やっぱり、私がやるべきだろう。
「すずか、これを渡しておくね」
「いいの?」
「まず肝心なのは呪詛を祓う事だからね。それは今はいらないよ」
すずかに渡したのは、魔弾銃。
今言った通り、呪詛を祓うのには必要ないからすずかが持っていた方がいい。
「……さて、気づかれたみたいだね」
「…そうね。すずか、同時に仕掛けて気を引くわよ」
「うん」
「じゃあ、その隙に死角に回り込んでおくね」
こっちに気配を向けているのが良く分かる。
作戦としては単純で、まず同時に飛び出す。
アリサとすずかが魔弾銃で気を引いて、その隙に私は死角に入り込む。
魔弾銃の弾が尽きたら術に切り替え、そして私が聖属性の術を叩き込む。
…割と簡単に思えるけど、大前提としてがしゃどくろの攻撃は全部躱さないといけない。呪詛が混じっている攻撃はまともに受けれないからね。
「よし……3、2、1……ゴー!!」
合図と共に、私達は飛び出す。
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