暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは〜無限の可能性〜
第5章:幽世と魔導師
第141話「がしゃどくろ」
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聞こえた瞬間、呪詛がまき散らされた。
 何か来ると分かっていた時点で、私達は大きく距離と取っていたので、防ぐにはそこまで苦労はしない……と思ったのだけど。

「っ……づ、ぅ……!!」

 霊力を纏い、障壁をいくつか張り、武器で切り裂こうとする。
 ……その上で、呪詛の力に身を焼かれる。
 相当威力は減らしたけど、まさかここまでとは……!

「っ……!」

   ―――“中回復”
   ―――“息吹”

 すぐに回復用の術を自身に掛け、伝心を試みる。

「『アリサ!すずか!無事!?』」

『な、何とか……』

『ぼ、防御の上から削られたよ……』

 ……何とか、二人も凌ぎきったらしい。
 それにしても、ここまでの威力なんて…修行の経験がなければ死んでたかも…。

「ここからが本番…とでも言いたげだね、これは……」

 呪詛を直撃でないとはいえ、受けたからか体が重い。
 どうやら、体が蝕まれているらしい。まずは浄化する必要があるね。

「『……一旦集合。態勢を少し立て直すよ』」

『っつ……分かったわ』

『うん…』

 問題は体を蝕む呪詛だけじゃない。
 がしゃどくろの周りには、さっきの呪詛の影響なのか、近づけばそれだけで呪われそうな瘴気が溜まっていた。あれをどうにかしない限り、どうにもならないだろう。

「アリサ、すずか」

「あ、アリシアちゃん、アリサちゃんが…」

 集合してみれば、アリサがだいぶ辛そうだった。

「ぐ……ぅぅ……」

「これは……やっぱり、呪詛…」

 私よりも呪詛に蝕まれてしまったのだろう。
 とりあえず、治療したい所だけど……。

「くっ……!」

「っ…!」

 がしゃどくろの攻撃が止まっている訳ではない。
 振るわれた拳は何とか躱す事が出来たけど、これでは回復の暇がない。

「(消費は大きいけど、仕方ない…!)」

   ―――“旋風地獄”

 そこで、私は霊力を大きく消費する代わりに、大きな規模で術を発動する。
 風の刃を大量に展開し、がしゃどくろを覆うように放つ。
 大したダメージにはならないけど、目的はそこじゃない。

「よし……!すずか!」

「うん!」

 風属性の術を扱ったのは、砂煙を巻き起こすため。
 大規模に風の術を使う事でがしゃどくろの視界を封じたのだ。

「ここまで来れば、少しは持つはず」

 すぐに移動して、木々に隠れる。
 目暗ましでそんなに時間を稼げるとは思っていない。
 即座に砂煙は払われてしまうだろう。だから、すぐに事を済ませる。

「………」

   ―――“快方(かいほう)の光”

 術式を構築し、浄化の光をアリサに浴びせる。

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