外伝 メタル・ライフセーバーズ
第1章 着鎧甲冑ドラッヘンダイバー
第1話 第二世代へのバトン
[2/2]
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
ワガハイはデマを流したつもりはない。レスキューカッツェに回した一号機と二号機からは、すでに十分なデータが取れているが……それは、あくまで経験豊富なベテランから得た情報に過ぎん。これから次世代機と共に歩んでいく若者のデータがないままでは、試作機の意味がなかろう」
『しかし、ダイバーシステムは精鋭揃いのレスキューカッツェの隊員ですら、乗りこなせる人間は一握りだったのですよ。学生の中から適格者が見つかるものでしょうか……』
電話の向こうから、訝しむような彼女の声が聞こえてくる。だが、男はその反応を予見していたかのように――口元を緩めていた。
「案ずることはない。すでに、目星は付けてある」
『え……!』
「帰る場所のない彼には、丁度いい拠り所になるやも知れん。それにダイバーシステムの資格者であるという名誉も、故郷への土産話になろう」
そう言ってのけた彼の背後にある、一台のコンピュータは――ある一人の少年の情報を、そのディスプレイに映していた。
携帯電話を顔から離し、それを一瞥した男――久水財閥現当主・久水茂は、視線を窓の向こう……遙か彼方の海原へ移す。
「貴様の後釜にも――なり得る少年であることだしな。なぁ……一煉寺龍太よ」
この日本から遠く離れた砂漠の国で、今この瞬間も戦い続けている――盟友を思って。
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ