エピローグ
第232話 矢村賀織の願い
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の資格試験を受けられるような逸材が、頻繁に出るような環境でもない以上、こうなるのも当然の流れだろう。
現在では、養護教諭を退職して救芽井エレクトロニクスの専属研究員となった四郷鮎美に代わり、賀織が顧問を務めている。
――あの時に学び取ったことを、違う形になろうとも伝えていきたい。そう願った彼女の想いが、今の彼女自身を作り上げたのだろう。
「……」
ふと、彼女の目に一つの写真立てが留まる。そこには、当時の着鎧甲冑部が全員で撮った集合写真が飾られていた。
当時の自分。四郷鮎子。四郷鮎美。久水梢。救芽井樋稟。そして――
「――龍太」
その名が、自然と零れてしまう。
……次いで、彼女の願いが――何より叶えたい願いが、漏れ出してしまった。
「早う、会いたいな。龍太……」
信じている。絶対に帰って来ると、信じている。
――それでも少しだけ、ほんのちょっぴり。
矢村賀織は、寂しさを覚えていた。
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