第227話 俺とお前の最終決戦
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仕掛けて来た。
乱れ飛ぶ刺突に、装甲が徐々に削られて行き――赤いスーツの部分は、中身の肉まで掠められていた。……このナイフも、着鎧甲冑を貫通する特別製だったようだ。
「あぐッ……!」
『先輩ッ!』
読みの裏をかく連撃に怯み、俺達は思わず後ろへ後退してしまう。既に俺の全身は血塗れだ。
――そこへ容赦無く、ラドロイバーは追撃のレーザー銃を放ってくる。俺は咄嗟に仰け反ることでヘッドショットだけは避けた。
「く……うッ!」
……しかし。
その無理な体勢では、これ以上避け続けることが出来ない。もう片方のレーザー銃を使われても、今の照射を垂直に振り下ろされても、俺に逃げる術はない。
もう一度胸を貫かれるか。真っ二つに切り裂かれるか。二つに、一つ――
「……んッ!?」
――の、はずなのだが。
不思議なことに――仰け反った俺達がさらに後退するまで、彼女は何もしてこなかったのだ。明らかに、今のは絶好のチャンスだったというのに。
何の狙いがあって、そんな好機を逃すようなことを……。俺達が近づくまで、何も仕掛けて来なかったことといい……。
……何も?
――そうか!
「鮎子、一気に畳み掛けるぞ!」
『……うんッ!』
俺の意図を汲み取り、鮎子はバーニアをさらに強く噴かせる。その勢いに乗じた拳の連打を、ラドロイバーの顔面に浴びせて行った。
彼女は痛めた右腕と左腕を駆使してそれを捌くと――レーザー銃を使わぬまま後退してしまう。
彼女は右腕をさらに痛めたらしく、その腕は再びだらりと垂れ下がってしまっていた。恐らく、その腕でレーザー銃はもう撃てないだろう。
「く、はぁ……!」
そして――そうまでしても、結局は兜を守り切れなかったらしい。両腕のガードを掻い潜り、何発も浴びせた俺の拳は、彼女の兜に付いていた亀裂をさらに大きく広げていた。
「……やっぱりそうだ。レーザー銃を使わないんじゃない、使えないんだ。ここに来るまで、エネルギーを消費し過ぎたせいでな」
『そのレーザー銃、やはりかなりのエネルギーを使う代物だったんだね。使用頻度が、明らかに減っている』
「……」
俺達の読み通り、ラドロイバーは既にほとんどのエネルギーを使い切ってしまっていたのだ。……当然だろう。彼女は俺達が合流するまでの間、たった一人で救芽井達と戦っていたのだから。
「もう俺を仕留め切るだけの力は、残っちゃいないみたいだな。その様子だと……逃げるだけのパワーもないだろう」
「……」
ほぼ一日中、休むことなく戦い続けていて、こうならない方がおかしい。着鎧甲冑を本格的に軍事利用すればきっと――この途方もない強さが、当たり前になってしまうのだろう。
だからこそ――
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