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とある科学の傀儡師(エクスマキナ)
第98話 父
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こでの常識を簡単に壊すのがあの世界だからね」

いちいち論文の最初の定義に『人は死ぬ事とする』と書かれないのが当たり前の世界に不死身となれば定義から何かから全てひっくり返ってしまう。
そして理解出来ないから立ち止まってしまうのも科学者の性だが、そんな暇はおそらくない。
不死身の戦士は待たずに殺戮を犯す。
「ただ少し気になる事があるんだけどね......」
「気になる?」
「あのお方の拡散力場が計測出来ていないのよ」
「っ!?」
「それって......まさか」
不意に蛍光灯が一瞬だけカチカチと点滅を繰り返すと赤い髪の成人男性の黒のローブを羽織った人物があたかもずっと居たかのように佇んでいた。
「「!!?」」
距離を取る三人だが、男性は内木のような腕を持ち上げて静かに。

タスケテホシ......イ
君達ノ力デ息子ヲ

******

路地裏でボロボロになっていたサソリを保護したがその正体はサソリに化けていた弟子のフウエイであった。
彼女は亡き師からの命令を忠実に行い、ゼツ達と戦闘を繰り広げていたがミサカネットワークの強制起動により意識が消失し、術が解けて幼子の姿で倒れてしまう。
「!?フウエイちゃん!」
倒れたフウエイに心配そうに駆け寄る婚后が抱き抱えるが関節が自由にジャラジャラと音を上げて揺れており人体の構造とは違う異形な光景に近い。
「ど、どうなってやがる」
状況が掴めない垣根は幼い幼女の顔を見下ろしているが、いきなり微睡んだ片目だけが開きだして全開の万華鏡写輪眼で彼の眼を捕らえた。

《従エ......オレニ従エ》
「!?」
気がつくと垣根は洞窟の中で石で出来た棺桶に入れられていた。
動かそうともがくが石棺はビクともせずに彼の表情を変えるだけに終始する。
能力を解放しようとするが身体から力が抜けるような脱力感に襲われた。

そこにメスを持った赤い髪の少年が出現し、迷いなく正中線に沿って切り裂いた。
「!?がっ!ギャアアアア!!?」
麻酔無しで肉体を切られる痛みは想像を遥かに超える燃え滾るような傷から臓器が取り出されていく。

オレのコマとして使ってやる
時間が無いからこのままお前を『人傀儡』にしてやるよ......一瞬の24時間でな

垣根の耳元で囁くと大量のメスが一斉に用意されて赤髪の指の動きに合わせて向かいだした。
「!!?」


フウエイの眼はまんじりともせずに睨み付けたままだが、垣根は冷や汗を流しながら片膝をついていた。
確かに24時間で人形にされた......だが腕がある......目玉をくり抜かれた痛みもある。
震えが止まらない垣根は鮮明に残る痛みの記憶に混乱しながらも呼吸を整えて立ち上がる。
「はあはあ............マジかよ......この
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