第二話
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深海棲艦が現れたおよそ半年後に、彼女らも海の上に現れました。彼女らは自分達のことを、『吹雪』や『電』などと名乗りました。これは、第二次世界大戦で大日本帝国海軍が用いてた軍艦の名前でした。」
…………もう何から突っ込んだらいいのか分からない。
「彼女らは深海棲艦と敵対していて、我々と協力することになりました。こちらからは拠点や燃料などの提供及び指揮官。彼女らからは戦力を提供というかたちで。」
頭が痛くなってきた。
「我々は彼女らを徹底的に研究して、一般人の中にも艦娘になることのできる人が居ること、彼女らが付ける『艤装』の開発をしました。今では、『鎮守府』と言う拠点があちこちにあります。」
「…………それで、僕にその話をしてどうするんですか?」
僕は写真を眺めたまま、話を遮るように質問した。
「まぁ、ざっくり言えば取引をしに来ました。」
高倉さんはそう言うと、こちらの顔をじっと見て言った。
「あなたの病気を治す代わりに、『鎮守府』で提督をやってもらいたいのです。」
「………………………………は?」
思わずそんな声を出してしまった。
「因みに、あなたのお父さんは、『それは僕が決めることじゃない。』と言っていました。とことん、いい父親ですね。」
「……………………治るの?」
僕は一番肝心なことを聞いた。
「えぇ。保証します。」
「……………………提督になったら、どうなるの?」
その次に肝心なことを聞いた。
「ある鎮守府の提督にあなたを預けます。そこで、その提督から鎮守府の運営を習って貰います。その後、実際に提督になって、鎮守府を運営して貰います。」
「……………………。」
「と言うのも、我々が調査した中では、提督の素質のある人間が殆ど居ないんですよ。あなたは素質のあった五人の中の一人です。」
「………………………………この町に、戻ってくることは?」
最後に、そう聞いた。頭の中には、外で待っているであろう唯ちゃんの顔が浮かんだ。
「…………殆ど、できないでしょうね。」
「…………………………………………。」
僕は、考えた。この話が本当なのか、受けるべきか、断るべきか。
…………結論を出すのに、時間は掛からなかった。
僕が結論を言うと、高倉さんは注射器のようなものを取り出した。
生まれ変わった、気がした。
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