第七章 C.D.の計略
フォルテッシモ♪運命の鎖
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と関係ない。
相手の意思を押しつぶすつもりで、一切の手抜きもなく否定せよ。
指摘など必要ない。
訂正など求めない。
正解なんていらない。
ただそんなことはいやだと、違うと、ありえないと。
最後まで叫び続けるのだ。
そして、相手がほんの欠片でもぐらつくのを待て。
つまるところ、先ほど眺めていた男が言ったことは正しい。
――諦めなければいい。根負けしたほうが、本当に負ける――
「喧しいぞ、お前はガキか!!!」
「うるさい!僕は絶対に認めない。そんな未来なんて来させない!!」
「来させないんじゃない。もう決まってるんだよ!!運命とはそういうモノだ。これから決まるんじゃあないんだ。もう決定されてるんだ。貴様がいくら叫ぼうと――――運命の鎖から、貴様は逃れられないんだ」
ビクンと
立ち上がろうとするキバのキバの身体が揺れる。
運命の鎖からは逃れられない。
そう。
自分の父・紅乙矢は死んでいた。
それは時間を超えて出会ったとしても変えることはできなかった。
自分の誕生。
兄との戦い。
王の宿命。
かつてこの青年は、それらを回避しよう過去に飛び尽力した。
だがダメだった。彼の今は変わらない。
結局のところ、決まった運命を変えることはできない。
「そうだ。貴様も誰も、運命の鎖に縛りつけられた捕らわれ人。それを俺が示してやる。貴様の運命を、間違いようのなく!!」
バキリと、闘牙の鬣がより一層砕かれる。
そして溢れ出た魔力がそのまま両手に充填され、真っ赤に燃え盛るかのような拳を形成した。
「終われ、キバよ。運命に従って!!!」
唸る拳。
ゴゥッ!という音は、その場にいる全員が耳にした。
あの拳が命中すれば、キバの装甲はあっけなく砕けるだろう。
だが、キバは
「―――――なに?」
「そんなんじゃ・・・ない」
その拳を、受け止めていた。
燃え盛るような魔力を宿した闘牙の拳を右掌で受け、それを左手で支え、さらに右肩に付けて、しゃがみ込んだ両足で踏ん張った。
「運命の鎖が・・・僕をしばりつけるモノだとか・・・未来を閉ざすモノだなんてことは・・・絶対にない!!」
バシッ!!
「運命の鎖は、そんなものじゃない。絶対にだ!!!」
「な・・・・!?」
揺らぐ。そして立つ。
それがそれぞれどちらのことを指しているのかは、一目瞭然。
「タツロット!!!」
「よっし!!テンションフォルテッシモ!!」
その声に呼応して、一匹の小竜が飛来する。
「変身!!!」
眩いばかりの輝き。
その光の中で、キバは真の姿へと変貌する。
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