第七章 C.D.の計略
フォルテッシモ♪運命の鎖
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?んな幻想・・・わーりましたよ。あんたには逆らいませんて」
『吾輩も貴様を失えぬ。まだな。見物もいいが、見透かされぬうちに消えよ』
声の主の気配が消える。
それを感じ、見物をしていた男もよっこいしょと立ち上がる。
「ま、ここは旦那を信じて見ますか」
疑いなく信じれば、それは現実に引き出せる?
なーるほど、確かにそれはあるかもな。
なんてったって、いまのとこ。
ぜーんぶ旦那の思い通りだもの。
そして男はビルから飛び降りる。
空間に穴をあけて飛び出してきたレールと、その上を走る長い長い車両に飛び込んでその場を去った。
その列車の姿は、ビル陰に隠れてだれの目にもとまらなかった。
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「諦めろ。お前は死んで、ファンガイアは駆逐される。そういう運命だ」
「ぐ、ぉぉおおお!!!」
淡々と告げる闘牙。
まるで、もうすでに起こったことを説明しているかのような口調。
例えばそれは、現代人が過去に飛んで「恐竜は絶滅するんだよ」と説明しているかのようなもの。
彼の言葉に疑いも、陰りも、不安もない。
もしも渡がこちら側の人間でなければ「そうなのか」と納得してしまうほどの断言。
彼にとってみれば、それは決して変わらぬ―――ではない。
それの未来しか考えられないのだ。そのほかの未来が見えないのだ。
彼のその精神は、すでに神の領域と言ってもいいかもしれない。
そう
疑いなき行動は、疑問のない自信は、揺るぎない精神は、時に現実を歪めそれを強引に、たとえ「邪」であろうとも「聖」に変えるほどの力を持つ。
「ふざ、けるな――――」
ならば、それを打ち破るには?
それを超える正論で論破するか?
相手より強い力でねじ伏せるか?
自信を砕くような光景を見せつけるか?
違う。まったく違う。
覚えておいてほしい。
それが正しい方法か、間違った方法かはこの際捨て置き、相手が言い張り主張するそれを砕く方法はあまりにも簡単で、そして根性論だ。
「そんなことはさせない―――そんな運命はない!!!」
認めない。
来させない。
そんな運命はあり得ない。
ただひたすらに叫ぶのだ。
相手がどんなことを言ってきても、馬鹿の一つ覚えのように吠えるのだ。
それは違う。
それは間違いだ。
そんなことがあるわけない。
お前は違う。
お前は間違いだ。
そんな考えはお門違いだ。
それは「否定」
ただひたすらに相手の言葉を否定する。
それが正しかろうと何だろう
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