第七章 C.D.の計略
四人の死闘
[1/7]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
赤い夜の中、さらに真っ赤に染まるドーム状の結界。
ドーム内の赤は紅蓮の炎。
さらにその中には鎖が伸び、敵を縛り上げ逃がさない。
その敵の男は、炎の中で――――――
------------------------------------------------------------
赤い夜に包まれた新綾女。
ランドマークタワーに続くタイルの敷かれた大通りは、あったであろう戦い―――それも激戦の激しさを物語るかのようにボロボロになっていた。
その中でやっと襲撃犯を鎖につなぎ、結界に閉じ込め、炎で焼いて終わりにしたところ。
その結界の前で多少肩を上下させるのは、この世界に取り込まれ襲撃を受けた少年少女。
即ち
「い、一体なんだったんでしょうか・・・・」
守護天使アブラクサスを使役する少女・橘菊理
「さあ〜・・・だけどこれ、完全にオーバーキルじゃないですか?」
驚異的な回復・再生能力を持つ少女・広原雪子
「何言ってんだよ。やらなきゃこっちがやられてたぜ?正当防衛、自業自得ってやつだろ」
強力な自然発火能力を有する少年・田島賢久
「賢久の言う通りだ・・・やらねばやられていた」
そして陰陽師草壁家の血を受け継ぐ少女・草壁美鈴
この四人である。
「・・・で?駆は何だって?」
「ああ・・・妙な赤い夜と、それを使う敵が現れたからと。そこで途切れてしまったから、全容はわからないが」
「じゃあそれってこいつってことだろ?なんだ、終わっちまったじゃねえか」
戦いは激しいものだった。それは間違いない。
ショッピングに行こうと集まる女子三人。
荷物持ちにと駆り出された男子一人。
賢久は山のような荷物を抱えさせられ、他の三人は熱いからということで喫茶店で一息ついたところだった。
午後6時をまわったものの、残暑の空はまだ明るい。
暗くなる前に家には着こうか、次はあれも買いたい、今度は絶対駆もつれてきてやる、等々。
思い思いに話が弾み、そろそろ出ようかといったところで美鈴の携帯が震えたのだ。
そこからは諸兄の想像通り。
襲い掛かった男が赤い夜を展開、四人を取り込み仕掛けてきたのだ。
炎が舞い、鎖が走り、刃が光り、斬撃が空を裂く。
その末に「苦労したな」と言えるくらいの疲労を感じさせながら、敵の男はお縄について今、ドームの中だ。
「駆たちは?」
「わからん。場所を聞く前にこっちに来てしまったからな」
「でも駆さんの話を聞くよりも、堅かったけど思ったより強くなかったですよね?」
「まあ相手は無抵抗だったから、な・・・・」
まて
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ