第七章 C.D.の計略
四人の死闘
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付けるのは確実な命中の為でもあるが、それ以上にこういう時に仲間を救うためだ。
だが、敵が規格外すぎる。
あの離脱は、本当にギリギリのタイミングなのだ。
鎖を引くのは十分考えられる。
雪子自身を盾にするのもわかる。
だから、ああやって敵の視界を潰したうえで離脱するのだ。
でもこいつはそれを一切意に介さずに、この行動に移った。
最初からそのつもりだったのか、全く迷いのない行動だった。
雪子が身を捻り、無理矢理に着地。
そこから体勢も整わないまま駆け出し、菊理の身体を抱えてその場から飛び出した。
「キャぁっ!?」
「アッ・・・グゥゥウウウ!!!」
だが、それでも間に合わなかった。
ガシャァ!!とカフェのオープンテラスに二人は突っ込み、菊理は気絶し、雪子の背中と脚は焼けただれて動けない。
その状況を見ては、この男がだまっていられるはずがなく
「テンめェぇえええええ!!!」
右手に続き、左手のローゲフィンガー。
一回目は雪子や菊理を使って弱めたか回避したのだろう。
だが二回目はない。
この砲撃で仇をとる。
「こいつで跡形もなくッッ!!!」
「なんだ?」
ズォッ、と。
大きく振りかぶって、今まさに投げつけるかのようにローゲフィンガーを発射しようとした賢久の前に、爆炎から出てきた闘牙が現れる。
真正面、至近距離。
命中は間違いない。
だがこの距離では賢久自身も――――
しかし、闘牙の右腕を見てそれは吹き飛んだ。
本来、このコンビネーションはローゲフィンガーと放つと同時に美鈴が切り込み攻撃する。
敵が砲撃を避けても、彼女が火車切で炎をまとめ上げて敵を切り裂くのだ。
今回もそのつもりだった。
だが砲撃は至らず、雪子と菊理が負傷し、そして美鈴は
「見せろ、底力を」
「この・・・・」
「やれよ」
「くそヤロウッッ!!!」
闘牙の右腕に捕まり、首根っこを掴まれてぶら下がっていた。
投げつけられるローゲフィンガー。
美鈴は全身に切り傷があるため、見た目の出血はひどいものだが、傷自体は深くなく実際には致命傷はない。
その美鈴を放り投げてから両腕を広げて賢久の一撃を受ける闘牙。
爆発。
それは、赤い夜をも焼き尽くすかのような紅蓮の炎であり、その中心の二人は――――
燃え上るかのように高々と昇っていく煙。
何がそれを染め上げるのか、真っ赤な煙が周囲を覆う。
その、煙の中から声がする。
「ふぅ・・・・いや、しかし」
声と共に紅蓮の煙の中から姿を現したのは、少し表面が焦げた程度の闘牙の全身。
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