第七章 C.D.の計略
四人の死闘
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戦闘のオンオフだ。
だから驚愕もするし、引き際もわかる。
あのころよりも手数のバリエーションははるかに多く、強くなった。
だが、敵はあのキバやイクサをも退ける男。
(こいつ、全部!?)
「・・・・・」
雪子の二刀流ナイフ術。
その攻撃を総べて、右手の掌で受け止めていた。
雪子のナイフの斬撃は、的確に急所に襲い掛かっている。それだけでなく、装甲の隙間であろう場所にもだ。
だがそれらはすべて抑えられる。
しかも相手は片手だ。
一刀流と二刀流の力の差などここで議論しても仕方のない話だが、単純な手数の差で言えばこっちが優るはず。
それをこいつは簡単に超える。
(じゃあ・・・バージョンアップですよっ!!)
動きを変える。
雪子の動きが、線だけのものでなくなっていく。
緩やかな曲線、一点の突き。
更にフェイント、体術までも混ぜ合わせて、隙あらば背面にまで攻撃の手を伸ばす。
だが
「な・・・ッ!?」
今度は驚きが声に出た。
闘牙の顔は(マスクに覆われているが)至って変わらず。
腕の動きに、身体がぶれていく様子もない。
闘牙はその体制のまま、腕の動きはそれなりに早くなり
(本命どころか、この男・・・・!!!)
本命どころかこの男、雪子のフェイントや背面からの攻撃、突き蹴りなどの体術までをも右手一本で押さえているのだ。
しかも隙あらば背面、と実際に背面に回って攻撃して雪子は悟った。
背面に回るだけのスキがあるんじゃない。この男は背面に回らせて、うまく防御しているだけだ・・・!!
「それすらわからぬ愚鈍じゃないか」
「ッ!!!」
底が知れない。
こうなったら、自分の再生能力をフル活用して決死の突貫まで視野に入れるか・・・・いや。
雪子が思案する。
だが、それよりも早くタイムリミットが来たのだ。
「おぉぉオオらぁ!!!」
賢久のローゲフィンガーが放たれる。
そのタイミングを知っていたからこそ、誰も掛け声をしなかったし、雪子自身もギリギリのタイミングまでこいつを引き付けて離脱できる。
ナイフの一本を闘牙の面前に放り、ドロップキックで叩き付ける。
顔を斬ったり刺突の為ではない。
ナイフの面を向けての蹴りだが、相手の視界を奪うのが目的だ。
だがこの男はそれよりも早く行動していた。
「キャぁっ!?」
「菊理さんッ!!!」
雪子が蹴りによって離脱した瞬間、闘牙は左腕を強引に引いた。
それによって、菊理はアブラクサスごと引き寄せられ、ローゲフィンガーにさらされてしまう。
「ォオオァアアア!!!」
雪子が吠える。
彼女がギリギリまで敵を引き
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