第七章 C.D.の計略
四人の死闘
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・・ッ」
ドォッッ!!!
「なっ!?」
「うっそだろぉ、おい・・・・」
男―――赤嵜紅矢は無事だった。
それどころか、全く意にも介さず鎖を引きちぎり怪人態に。
自らの鬣を引き抜いて、ガラス状になったそれを握り砕いてさらに姿を変える。
その変身の余波は――――美鈴の結界を砕き、賢久の炎を吹き飛ばし、その場のラルヴァを一体残らず蒸発させた。
「ば・・・かな・・・・!!!」
「バカな?それはこの戦力差のことか?」
「クッ!!!」
一切を消滅させて立つ男。
仮面ライダー闘牙は、その場に普通に、実に普通に立ち
「俺にとっては予想通りだ」
そして普通にそう言った。
「ハッ!!」
「行きます!!!」
「オォッ!!」
アブラクサスの鎖が伸び、雪子がメガネをはずして臨戦態勢に。
このままいけば、鎖が闘牙を縛り身動きを封じる。
仮に敵の力が強くとも、それが一瞬だとしても、その一瞬を縫って雪子のナイフは標的に襲いかかることが可能だ。
だがそれらは時間稼ぎ。
賢久の超圧縮高火力レーザー砲「ローゲフィンガー」が準備段階に入り、同時に美鈴は詠唱を始める。
トップクラスの攻撃力を有するこの二人だが、いざ発射までのタイムラグが弱点だった。
それは往年よりも縮んだものの、やはり存在する絶対的な時間。
だが自分たちには仲間がいる。
明日を共に生きようと誓った者がいる。
何よりも信頼できる、最高の友がいれば、いかなる敵だろうとも決して無事では済まさない――――
「捉えた!!」
「ハァあ!!」
アブラクサスの鎖が、闘牙の左腕に絡まり自由を奪う。
その瞬間、雪子のナイフが闘牙に襲い掛かる。
「ッ!?」
最初に気づいたのは、アブラクサスの鎖越しに菊理が。
さっきもこの鎖でとらえたが、変身後にもなるとこんなにも違うのか。
いや、違う。さっきが本気じゃなかっただけだ。さっきの状態でも、本気を出されていれば捕えられたかどうかわからない。
左手一本だというのに、菊理はそれ以上鎖を全身に広げられなかった。
これより奥に行けばこっちが引きずられる。
でもここから引けば、縛りの意味が霧散する。
まるで何メートルもある細い板の端を持ち、反対側の一点にピンポン玉を置き落とさないように調節する、そんな状態。
今、菊理は縛りながらも敵のその力で
(逆に縛られて・・・いる・・・!?)
と、そのことを知ってか知らずか雪子が襲い掛かる。
かつては「殺人マシーン」として一切の感情をそぎ落とし、そのオンオフをメガネの着脱でつけていた彼女だが、今となっては単純に
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