第16話:領内改革!(その2−2)
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す。南方でしか採れない果物を暑い気温と低い湿度でじっくりと干した物です。姫様達が喜ぶと思い持参しました。お酒については中身の酒自体に問題はありません。私の両親もとても美味しいと申しておりました。問題はこの酒を貰った場所とくれた人にあります。話すと少々長くなりますが、お聞き願います。」
………かくかくしかじか………
「こういった事情で、今回の調査に出かけた訳です。そして調査の3日目にキャンプをしていた場所でこんな事がありました。」
………かくかくしかじか………
「そして、私は助けたアルメリアさんというエルフの女性と一緒にエルフの集落へ行きました。その集落の代表という方とこのような話をしました。」
………かくかくしかじか………
皇帝閣下は驚いた表情を隠しきれずに手を握りしめていましたが、最後まで言葉を挟まず聞いてくれました。
「以上がこのたびの調査で起こった出来事です。」
皇帝閣下は今まで息を詰めていたのか、大きく息を吐くと少し汗のにじんだ額に手を当てて、言いました。
「話は解った。この際だ、おまえが一人でそんな遠くまで調査に出かけた事は許そう。後でアルバードには一言言いたい事があるが、それも今は良い。問題はそのエルフの事だ。
よりにもよって、一人で出かけてエルフに出会い、そのエルフを助けて友となるばかりか、エルフの集落に連れて行かれて代表者にもてなしを受け、その上出入りの自由を貰ってくるなど、ゲルマニアどころかどこの国でも考えられぬわ。」
「確かにそうでありましょうが、エルフと出会った事も偶然なら、助ける事が出来たのも偶然です。出会っていきなり争いになっていれば、おそらく生きて帰る事も出来なかったでしょうし、友好を結ぶ事ができたのは怪我の功名というか、非常に幸運であった事と考えますが。」
「それは普通の人間の間で考えればそうだろう。だが、エルフとは6000年もの昔から聖地を奪った仇敵であり、幾度となく起こった戦での恐怖の敵というのが各国共通の考えだ。特にロマリアやトリステインあたりは心底憎んで、そして恐れている。そんな者達にすれば出会ったとたん争いとなるのが当然で、友となる事など考えられないであろう。ましてや友となったなどと知られれば絶対に異端者として抹殺されるぞ。」
「それは十分に認識しております。ですから公表するような事は致しません。今のところこの件を知っているのは私の両親と閣下だけです。私があちこちで話すような愚を犯さなければ他人に知られる事もないと思いますが。」
「妥当な考えだ。それで、いったいおまえは何をしたいのだ?まさか、出会ったエルフに惚れて嫁にしたいとでも言う訳ではないだろうな?」
にやりと笑って、そんな事を聞いてきます。
「閣下。たしかに同
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