第16話:領内改革!(その2−2)
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おはようございます。アルバートです。
今日は虚無の日。基本的にお休みの日です。ウイリアムさんもキスリングさんも今日はお休みになっています。
昨日、父上や母上と話をしたように、今日は皇帝閣下の所に行って、今回の調査結果について報告します。普通の報告なら報告書として書面で送っても良いのですが、今回はエルフとの事があるので、無駄な誤解を生まないように直接会って話す事にしました。
丁度虚無の日で、僕がいつも通り皇城に行くことに違和感もありませんから、話のついでに皇帝閣下にもお土産を持って行こうと思います。
もうすっかり慣れている、屋敷から首都『ヴィンドボナ』までの空路を『ヴァルファーレ』に乗って飛んでいきます。なぜか僕が『ヴィンドボナ』に行く日は天気が良くて、雨になった事は一度もありません。何かあるのでしょうか?
いつも通りの快適な空の旅を終えて、皇城に着きました。近衛の竜騎士隊が上がってきましたが、顔なじみの方なので顔パスで皇城の庭に降りる事が出来ます。
『ヴァルファーレ』には一度異界に戻って貰い、迎えに出てきた女官のスピネルさんと世間話などしながら皇城の奥に進みます。途中で少しですが、ドライフルーツを分けてあげました。珍しい甘味なのでとても喜んでくれましたよ。
やがて謁見室の控えの間について、待機していた侍従さんにスピネルさんが取り次ぎをお願いすると、すぐに入室の許可が下りました。
「皇帝閣下。早速お目通りをお許し頂き有り難うございます。」
「アルバート。良く着たな。1週間前に比べるとずいぶんと黒くなったが何かあったのか?」
「恐れ入ります。このたび領内改革の為新たな事業を興そうと考えております。その事業に必要な資源を探す為に南方に調査に出ておりました。昨日帰ったばかりでございます。」
「南方とな。いったいどのあたりまで行ってきたのだ?」
「はい、本日はその事についてのご報告とご相談がありまして参上しました。お許し頂ければお人払いをお願いしたいのですが。」
「何か、他人に聞かれるとまずい事でもあったか?まあ、良いだろう。」
皇帝閣下は、側にいた侍従に命じ、謁見室にいたすべての人を外に出しました。その後、ドアにロックの呪文を掛け、続けて室内にサイレントの呪文も掛けてくれました。
「これで大丈夫だろう。話してみなさい。」
「有り難うございます。まずは此方をお納めください。」
そう言って、父上に上げたのと同じお酒の瓶と姫様達へのお土産にドライフルーツを皇帝閣下に渡しました。
「これは干した果物か。見た事のない果物だ。こっちは酒か?珍しいラベルだな。絵柄も文字も見た事がないが、これが何か問題でもあるのか?」
「そちらの干した果物はドライフルーツと言いま
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