第七章 C.D.の計略
闘争の魔獣
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はおもむろに右腕を上げた。
「ハァッッ!!」
ドンッッ!!!
「ふ・・・・む?」
そしてキバのキックを右手で普通に受け止め、バチンと地面に叩き付ける。
だが、闘牙はそこから追い打ちを掛けるでもなく、駆やゆかに襲い掛かるでもなく、ただ足元のくぼみを見ていた。
「・・・・・」
そして、自らの右手を見る。
そこには、感心と驚きが入り混じった感情があった。
自分がこの姿になった以上、キバなど敵にすらならないと思っていた。
一切の手応えすらなくなると思っていた。
他が実際にはどうだろうか。
この陥没、そして手に残る、確かな衝撃。
先日自分を追ってきていた「あの男」もそうだが、どうやらことはうまく進まないらしい。
「・・・まあいいか」
そういって、自分の見通しの甘さを思いながら、現時点では問題になるほどのものではないと振り返る闘牙。
だが、その瞬間
「フッ―――ハァッ!!」
ビギッ!!と、世界に亀裂が入ったかのように空間が避け、そこから炎が噴き出すように溢れ出し、近くに立っていた闘牙の身を焦がしていった。
どうやら外の現実世界から強引にこの世界に侵入しようとしてきたらしいが、闘牙にしてみればその炎自体でダメージを負うことはない。
あるわけではないが、その中に混じって襲い掛かってきた刃が肩に襲い掛かってきた。
闘牙にやはりダメージはない。
しかしその刃は闘牙の装甲に弾かれ勢いよく跳ね返り、その跳ね返りが炎をさらに大きく渦巻かせて視界を覆う。
そしてその炎が晴れたころ―――――
空間に大穴が空いており、その場に駆やゆか、そしてキバの姿はなかった。
「逃げたか」
ビキビキと広がっていく大穴を背に、変身を解除してその場を去っていく闘牙に変身していた男。
そして砕け散るように赤い夜が消滅し、現実にすべてが戻った時。
そこにはすでに、男の姿はなかった。
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「・・・・危なかったな」
そのころ渡、駆、ゆかの三人を連れて、ある男が周囲を見渡す。
男はあの赤い夜に乱入し、炎と刃で隙を作り出しあの場から三人を脱出させた仮面ライダー―――イクサに変身する、名護啓介その人であった。
「名護さん・・・」
「危ないところだったな、渡君。私がいなければ、やられていただろう」
なぜこの人がここにいるのか。
気になるところではあるが、今はともかく助かったことでいっぱいいっぱいだ。
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