第七章 C.D.の計略
闘争の魔獣
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「赤い夜!?」
「ねえ、僕それよく知らないんだけど・・・・」
「ああ、これか。俺も少しは魔術ってやつに通じててな。昔あったっていう話をきいて、そいつから教わったのさ」
この赤い夜―――正式名称を幻燈結界というこの異空間は、かつてバビロンの魔女と呼ばれたリーゼロッテ・ヴェルクマイスターが、彼女の探し物のために用いられたものだ。
その空間の特徴としては、まずここで破壊された建物などは、現実に戻った際に元通りになる。
二つ目として、得体のしれない闇精霊・ラルヴァ共が沸いて出てくる。
そして三つめは
「魔石を持ったものを取り込んで逃がさない―――お前の狙いは、オレ達の中にある魔石だな」
駆の「劫の目」
そして、ゆかを始めとした計6名の少年少女の体内にある「虚無の魔石の欠片」
それらは魔石と呼ばれ、彼らの世界では絶大な、しかし自らの身をも滅ぼしかねない力を持つものだ。
それらを持つものをこの世界に取り込み、かつての魔女は砕け散った「虚無の魔石の欠片」を集め、再び自らの手に完成された「虚無の魔石」を手にしようとしたのだ。
「じゃあ・・・・あれ?なんでボクも?」
それはわからない。
だが、この男の力は何だ?
というか、自分たちが赤焼けだと思っていたあの店の外の光景は、一体いつから赤い夜だった!?
「そんなことはどうでもいいだろう?」
男は指を曲げながら一つずつ方ある。
一つ、俺はお前たちの魔石がほしい。
二つ、邪魔をするやな容赦はしない。
三つ、ちなみにお前らは逃げられない。
四つ、―――――――
「貴様がキバの鎧を纏う、ファンガイアの王であるということだ」
ブォォッ!!と、男の身体からエネルギーが迸り、その姿が変貌する。
一瞬だけ見たことがあるような姿に変わり、さらにその姿が変貌していくという二段階変身。
その姿は、まるで魔獣が人型になったかのよう。
男の言う通り、レジェンドルガであることは間違いがないようだ。
頭部は人間のようなものだが、まるで殺人鬼のような、それこそ本当に魔鬼のような禍々し表情。
そして剥き出しのその牙は、なんと上下ともに三列に並んでいる。
その首からは、まるでライオンのような鬣が靡き、背には蝙蝠のような羽が畳まれている。
その全身は赤く、そして一本の尾の先端には無数の棘が、まるでウニか栗かのように生えていた。
「俺はレジェンドルガ、マンティコアレジェンドルガ。弱小なるファンガイアとは違う、さらに高次の存在」
語る。
そしてその鬣を無造作に引き抜いた。
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